PEOPLE

Hono Ueharaリデアカンパニー執行役員 ウィメンズエグゼクティブスーパーバイザー

植原 ほの

TITLEParis発 究極のシャツブランドAtlantique Ascoli

2017.07.22

7月中旬から、秋の新鮮なコレクションが入荷し始めました。

そして、この秋に、とくにご紹介させていただきたい、パリ発、女性デザイナーが作る、

究極のシャツブランド、Atlantique Ascoli(アトランティック・アスコリ)が入荷しました。

このブランドのデザイナー、Atlantique Ascoliは、エルメスのアトリエでキャリアを積み,ファションのデザインに関わるだけにとどまらず、

グラフィックデザイナー、ミュージシャンでもあるという、多才でストイックな女性。

私が、初めて彼女のシャツを目にしたのは、数年前のニューヨークのバーニーズ。

小さなワンラック、シャツだけのコーナーがあり、「シャツ」でありながら、妙に存在感を感じさせました。

近づいて、一点一点見てみると、シャツ以上の何かがある、、、それは、きっと、立体的なフォルムと、こだわり抜いたディテールのデザインから

来るものだったのではないか、と思います。

早速、4〜5着試着をし、ラックにかかっていたその立体感は、ボディに被せても、より一層美しく、「名前も知らないこのデザイナーは誰?」と

驚き、数枚買ってしまいました。

それが、私とAtlantique Ascoliの出会い。

すぐに、コンタクトをとり、辿り着いたのですが、小さくコレクションをしており、あまり取引先を増やす気はない、とのこと。

様々な分野ですでに活躍する彼女にとって、このシャツのコレクションは、ビジネスではなく、大切な子供に近いかもしれない。

数年越しにアポイントを取って、出会った彼女に会って、そう思いました。

エルメスの工場に勤め、ヴィンテージが好きで、職人が好き。ワークウェアが好きで、シャツが大好き。

一年中、家にいるときも、パーティに行くときも、ずっと、質のいい、コットンやリネンのシャツを着ていたい。

そんな彼女が作ったシャツのコレクションは、とても小さな世界ですが、全くどこにもない、新しいシャツ。

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そして、このコレクションが到着して間も無く、いいものが好き、というまさにストラスブルゴを代表する、何名かのお客様にすでに袖を通して

いただき、お客様のリアクションを見て、説明もなく、分かり合えるメッセージ性に驚きました。

百聞は一見にしかず、というのは、本当にこのことだ、と。

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去年、彼女の展示会に初めて行きました。

そこは、小さくて、素敵な画廊。

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こっそり、案内してくれた裏庭には、小さなパリジェンヌが座ってそうな、素敵なブランコ。

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階段には、遠吠えをする2匹のアーティな犬。

こだわりが随所に見える小さな展示会場は、そのシャツとの出会いの感動と、いいものへのこだわり、共感で、熱気に満ちたことを

思い出しながら。

ぜひ、この秋、Atlantique Ascoliのシャツに袖を通してみてください。百聞は一見にしかず・・です。

TITLE1991年

2017.06.20

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懐かしシリーズ、90年代の第2弾。

1991年。91年といえば、日本は若貴兄弟の話題が持ちきりで、尾崎豊のI Love Youで多くの人が、あの切ない歌声に泣き、ソ連(当時の国名は、ソビエト社会主義共和国連邦)からゴルバチョフ大統領が訪日し、夏に軟禁され、年末にはソビエト連邦が崩壊。アメリカの栄華を象徴するパンナム倒産、そして、日本は、まさに90年代は「失われた10年」と言われ、不安が入り混じり始めた空気を思い出します。

あの頃、そういえば、不思議な女の子と出会い、『不思議亭』という、バーに行っては、なぜか、ボブ・マーリーを聴きながら、ソファでテキーラを飲んでいたことを思い出しました。某有名大学の入試に行って、急に雨が降ってきて、傘をささずに歩いていたら、傘をふとさしてくれたその子は、「よかったら入りませんか」と、妙に丁寧な言葉遣いで、傘を差し出してくれました。もちろん同年齢の受験生。「私、マイティっていうの」と自己紹介してきた彼女は、確かに、ちょっと日本人のようなハーフのような、少しエキゾチックな顔だちで。

試験が終わったあと、お茶しませんか、と、またどこからか、かけ寄ってきて、「あ、さっきの・・・」とお茶をしたのがきっかけでした。

あとでわかったのは、彼女は留学をしていて、それで、「マイコ」というのだけれど、「マイティ」と呼ばれていたそうで、当時は、そんな子は珍しく、とっても世界観をもった素敵な女の子でした。雑多で、なんとなく、ある意味「ザ・トーキョー」を感じさせる下北沢が本拠地(?)で、下北沢の『不思議亭』というレゲエのレコードをかける不思議なバーによく行きました。特に、なにを話す、というわけではないのだけれど、なんとなく、今にも本当は壊れそうなミステリアス彼女が気になって、飲みに付き合っていた訳です。

彼女は、90年代の当時から写真が大好きで、カメラマンの師匠のところで、暗室に入り、写真を現像する、という話をよくしてくれました。大学を卒業するころ、彼女は少し進路に悩んでいて、電話をしても連絡が取れなくなり、手紙を書いても戻って来なくなりました。

91年ごろのわたしの原風景。

心の引き出しの中にある、少し不思議な風景です。

社会人になって、もう一度、行って見よう、と一人であの場所に行ってみたのですが、あるはずの場所には何度通っても見当たらず、彼女と一緒にバー姿を消してしまいました。

もし、あの『不思議亭』で、もう一度、マイティと待ち合わせしてテキーラを飲むとしたら、ボブ・マーリーのころ、つまり70'sを思わせるオレンジのワンピースに、ビンテージのゴールドネックレスを2重につけて、左手にチェーンのコインつきブレスレットを3重にジャラジャラつけて、サイモンの大きなフープに、靴は華奢で気をつけないと折れそうなサンダルを履いて行きたいな、と。

そして、あの頃のように、静かに、なにを話すでもなく、レゲエを聴きながら、テキーラを飲むのもいいな。

TITLETokyo

2017.06.10

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最近、東京が美しい。

外国人ゲストがたくさん日本を訪れ、そして、日本を発見し、感動して帰っていく姿に、日本を再発見している、、、そんな日本人が多いに違いない。

私もそのひとり。

南青山から、銀座店に本拠を移したこともあってか、インターナショナルな目線で東京が見えてくる。

東京の魅力。それは、新しいものを受け入れながらも、どこか日本人独特のノスタルジィを感じさせるところ。

いつの間にか、ファッションやカルチャーの発信地になったことへの違和感と自尊心。

にわかに人気者になって、急に評価に追いつかなければならなくなったアイドルに似ている。

この間まで、見渡す限り、同じ眼の色をした仲間ばかりだったのに、急に、青い眼の人、違う言葉を話す人、雲の上の人までもが、賞賛し始めた・・・?そんな現実という鏡を通して、自分たちを見直している、そんな感じ。

こうして、フレームを通してみる日本は、実はとっても素敵な舞台。

舞台には、俳優がいて、女優がいて、音楽があって、詩があります。

さあ、今日は、どの舞台に立ち、どんな服を着て、どんな仕草でコーヒーを飲もうか・・・・・・そんないちにちの始まりの妄想も悪くないな、と。