PEOPLE

Hono Ueharaリデアカンパニー執行役員 ウィメンズエグゼクティブスーパーバイザー

植原 ほの

TITLEParis 17年秋 "Irving Penn"

2017.10.15

9月の終わりから10月の初旬にかけ、毎年、パリは、世界中からFashionの頂点を目指すFashion フリークが集合し、パリ市全体が、まるでファッションショー会場のように熱を帯び、湧き上がります。

そう、まさに、Paris Fashion Week。華やかさとビジネスの両輪で成功している、現代を牽引する注目のファッションデザイナーが、このFashion Week中、パリ中の様々なロケーションで、1時間刻みにショーを繰り広げます。

ただでさえ、混雑を極めるパリ市内は、デザイナー、モデル、ジャーナリスト、セレブリティ、バイヤー、そして、各ブランドの世界中から招待されたVIPを乗せた黒塗りの高級車でごった返します。カメラマン、パパラッチ、パリを歩き慣れたバイヤー、モデルは、パリの地下鉄を駆使して、いかにも関係者、といういでたちで移動。

どのショーでも人気の"スターモデル"は、会場から会場をメイクを落としながら移動し、その移動の遅れのせいで、1時間刻みのショーは、どんどん遅れ、夕方のショーともなると、ショーのスタートは1時間遅れ。ファッションの熱気に溢れた会場では、インヴィテーションをウチワがわりにしてハタハタと涼しい顔をそよぐファッションピープルが埋め尽くします。

フロントローには、もちろん、名物編集長とセレブリティ、超VIPがずらりと並び、社交上手なアメリカ、ヨーロッパのバイヤーは、ある種、これ見よがし(?)に、1シーズンに1度のショーでの再開を熱いハグで喜びあい、近況のキャッチアップ・・・という、、、そんな光景が繰り広げられます。一流のキャストが作り上げるパリファッションショーの楽しみもありますが、実は、ヒューマンウォッチングもパリファッションウィークの醍醐味の一つ。

さて、前置きが長くなってしまいましたが、今回、わたしのパリ初日は、Martin Margielaのファッションショー。2018年春夏からJohn Galliano(ジョン・ガリアーノ)率いるマルタン・マルジェラのコレクションをストラスブルゴでご紹介します。

今回のマルジェラのショー会場は、Grand Palais(グラン・パレ)。1900年、パリ万博のために創られた、パリの中心部に位置する大きな会場です。

この、Grand Palaisのショー会場、メインエントランスのわきには、Grand Palais National Galery(国立グランパレ美術館)があり、そこで、Irving Pennの展覧会が開催されていました。

今回、パリ滞在中、どうしても見たいと思っていた展覧会のひとつ。

滞在中、30分だけの空き時間を見つけ、潜入することができました。

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Irving Penn 2017 Exhibision in Paris

IMG_7377.JPGBalenciaga Mantle Coat 1950

IMG_7374.JPGThe Twelve Most Photographed Models 1947

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Elsa Schiaparelli 1948

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Ballet Society 1948

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Man Lighting Girl's Cigarette 1949

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Pablo PIcasso 1957

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Yves Saint Laurent 1957

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Richard Avedon 1978

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John Galliano 1995

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Month 1986

1917年、アメリカ ニュージャージーに生まれたIrving Pennは、フィラデルフィア美術大学を卒業し、ハーパース・バザーでイラスト、絵など発表しながら、写真の才能を見出され、VOGUEで長年フォトグラファーとして活躍した、というのは有名な逸話。

わたしは、この仕事を始める前から、思えば、フレームの中に人物像を見るのがとても好きでした。子供のころ、よく、母がわたしを膝にのせて、世界の名画集を見せてくれたことを思い出します。実は、その頃に、「美しい」とはどういうときめきなのかを会得した、と思っています。

フレームの中にある、人物、そこには、特別な一瞬の存在感と迫力、詩のように語りかけてくるメッセージがありますが、Irving Pennの写真には、まさに、意思のある眼差し、シルエットの美、一瞬の美しさの"凝固"のような、メッセージがありました。

Irving Pennは、自然の光を操ることで新しい写真のあり方を見せた、と言います。光と影が作る、写真の世界。みなさんは、これらの力強い被写体と、Irving Pennが切り取った一瞬から何を感じられたでしょうか。

見る側の、その見る一瞬によっても、変わってくる、数々の物言わぬ写真からのメッセージ。

Irving Pennの画集も持っていて、すでに、何度も目にした写真が多かったのですが、ショーが行われていたParis Grand Pallaisで見た、ファッションフォトグラフは、ファッションウィークの熱とともに、格別の迫力を持って、迎えてくれました。

TITLEMystical Encounters ~秋、新しい美しさとのミステリアスな出会い~

2017.08.20

新しい季節が始まりました。

街のウィンドウが、いっせいに深みのあるダークトーンに変わり、膨らみのある素材が並び、毎シーズンのこととはいえ、新鮮なメッセージが次々と打ち出され、実際の季節の移り変わりを先取りして秋へのイントロダクションが始まります。

ファッションは、ここ数年、長く続いてきたスポーツ、ジェンダレス、ノームコア、エフォートレスなど、シンプルライフ、脱力するフェーズから一変。

女性らしさを強調するような、フェミニン路線に大きくカジをきっています。

一方で、急激に存在感を見せる、Gucciに見られるような "Fashion has to be Fan and Crazy!!" とでもいうような、お祭り騒ぎや、新しいトレンドセッターとして注目されるBalenciagaに見られるような、ストリートクチュール的な破壊力に似た新しさなど、ファッションには、今、火山の下のマグマのように、ふつふつと沸き起こるエネルギーがみなぎり、ファッションを遊ぶ、毎日を遊ぶ、そして、ファッションを通して生き方すら主張する、など、刺激に満ちています。

秋立ち上がり、ストラスブルゴでは、定番とも言える、ブラックやダークネイビーをベースに、夜を照らす月夜の光、光の先に宝物のように現れるパステルカラー、足元を照らすメタルやパールなど、新しい物語を予感させるムードに。

そして、マストハブの定番カラー、ブラックやミッドナイトブルーでさえ、ベルベットや、レース、フェザーなど、質感の違う様相で登場し、新しい美しさが溢れています。

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めくるめく時代を映す鏡、そして、その先にある、新しい毎日へ。ファッションは、毎日を楽しむアート。そして、限りなく、自由で、個人的なプロパガンダ。

新しい物語を探しにお出かけください。

TITLEParis発 究極のシャツブランドAtlantique Ascoli

2017.07.22

7月中旬から、秋の新鮮なコレクションが入荷し始めました。

そして、この秋に、とくにご紹介させていただきたい、パリ発、女性デザイナーが作る、

究極のシャツブランド、Atlantique Ascoli(アトランティック・アスコリ)が入荷しました。

このブランドのデザイナー、Atlantique Ascoliは、エルメスのアトリエでキャリアを積み,ファションのデザインに関わるだけにとどまらず、

グラフィックデザイナー、ミュージシャンでもあるという、多才でストイックな女性。

私が、初めて彼女のシャツを目にしたのは、数年前のニューヨークのバーニーズ。

小さなワンラック、シャツだけのコーナーがあり、「シャツ」でありながら、妙に存在感を感じさせました。

近づいて、一点一点見てみると、シャツ以上の何かがある、、、それは、きっと、立体的なフォルムと、こだわり抜いたディテールのデザインから

来るものだったのではないか、と思います。

早速、4〜5着試着をし、ラックにかかっていたその立体感は、ボディに被せても、より一層美しく、「名前も知らないこのデザイナーは誰?」と

驚き、数枚買ってしまいました。

それが、私とAtlantique Ascoliの出会い。

すぐに、コンタクトをとり、辿り着いたのですが、小さくコレクションをしており、あまり取引先を増やす気はない、とのこと。

様々な分野ですでに活躍する彼女にとって、このシャツのコレクションは、ビジネスではなく、大切な子供に近いかもしれない。

数年越しにアポイントを取って、出会った彼女に会って、そう思いました。

エルメスの工場に勤め、ヴィンテージが好きで、職人が好き。ワークウェアが好きで、シャツが大好き。

一年中、家にいるときも、パーティに行くときも、ずっと、質のいい、コットンやリネンのシャツを着ていたい。

そんな彼女が作ったシャツのコレクションは、とても小さな世界ですが、全くどこにもない、新しいシャツ。

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そして、このコレクションが到着して間も無く、いいものが好き、というまさにストラスブルゴを代表する、何名かのお客様にすでに袖を通して

いただき、お客様のリアクションを見て、説明もなく、分かり合えるメッセージ性に驚きました。

百聞は一見にしかず、というのは、本当にこのことだ、と。

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去年、彼女の展示会に初めて行きました。

そこは、小さくて、素敵な画廊。

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こっそり、案内してくれた裏庭には、小さなパリジェンヌが座ってそうな、素敵なブランコ。

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階段には、遠吠えをする2匹のアーティな犬。

こだわりが随所に見える小さな展示会場は、そのシャツとの出会いの感動と、いいものへのこだわり、共感で、熱気に満ちたことを

思い出しながら。

ぜひ、この秋、Atlantique Ascoliのシャツに袖を通してみてください。百聞は一見にしかず・・です。