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Ryota Matsukumaストラスブルゴ福岡店 テーラー

松熊 良太

TITLESartoria Pirozzi を訪ねて  in Napoli

2016.10.20

こんにちは。

このたびは、来月に来日オーダー会を催す Sartoria Pirozziについてご紹介いたします。

〈日程〉11/2日(水)福岡店、11/3~4日(金) 大阪店、11月5~7日 南青山店

その他詳細は、各店舗にお問い合わせください。

                                                                                              前回に続き、下記は約三年前に私がNapoliを訪ねた時の写真です。

Pirozzi(ピロッツィ)の名は、私が日本にいるときより有名であり、東京自由が丘でオーダー会を開催してた経緯もあり、日本になじみののナポリの仕立て屋さんです。

私が住所を調べ、歩きついた先はおおきなマンション!?で、小さなインターホンがあるだけ。昼休憩で出ないし、場所を間違ってるかなと思いながらとりあいずカフェ。再度訪ねると、店兼工房に招き入れてくれました。笑顔の娘さんがカフェをくれたので「私はお客ではなく、サルトなんだ。」というと、工房に案内くれました。

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↑ヌンツォ・ピロッツィ(親父さん)。明るい、気さく、笑う、い~ナポリ人です。このジャケットはご本人のですが、ピロッツィの服はまず「かっこいい」。同業としての、細部の違いから説明するとしても、他のナポリ服と比べ、大きくデザインを外しているわけではありませんし、縫い方も他とたいして変わりません。ただこの方々から生まれる服が、そのラインが若々しく、シルエットが美しい。

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↑不意に写させてもらったこの背中、これは、私の中で手本中の手本です。登ってて高くせりあがる肩のライン。生地の彫刻のようです。そして、これが柔らかい。

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↑こちら、弟のフェリーチェ・ピロッツィさん、彼が、上衿と袖付けを担当しているとのこと、

特に袖付けのふくらみのつけ方はうまく、出来上がりを見ても3Dに丸いきれいな袖です。(*仕立て屋で袖付けに優れてる人は、器用とは別に、ある種の才能と言われることがあります。)

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終始背中に糸がつけっぱなし ^^

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↑公言してるので載せますが、こちら生地マーチャントのDrapers の社長Lolli さんのジャケットとのこと、イタリアの生地屋の社長さんが、数ある仕立て屋の中でこちらで作っている様です。

また、今やサルトリア・ピロッツィは、受注会をロンドンや、ロシアなどで行うほど世界的に有名の様です。

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気が付けば夜。またさ迷いながら帰りました。すぐ向こうは海です。

松熊 良太

TITLESartoria Formosaを訪ねて in Napoli

2016.10.12

こんにちは。松熊です。

前回からの続きは、今後私の製作の中でご説明するとしまして。

今回は、今月10月21(金).22(土)大阪梅田の阪急店、10月23(日)24(月)東京の銀座店にてオーダー会開催のFormosa(フォルモーサ)について、

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上下写真は、イタリア・ナポリの仕立て屋Formosaの工房画像です。

約三年前、私がストラスブルゴに入社前に、ナポリを訪ねた時のものです。仕立ての技術を確かめるために行ったイタリアで、あるイタリア人に「ナポリでいい仕立て屋はどこ?腕があり優しい人がいる仕立て屋さんは (笑)」と聞いたところ、Formosaと教えてもらい、その文字だけを頼りにお店を訪ねました。後で知りましたが、ナポリではとても有名なお店の様です。

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冷たくあしらわれても当然と思っていた私を、同業だというと快く工房を見せてくれました。2日間に渡り。い~人たちで、作業中にイタリア職人特有の歌なんか歌いながら。私とも時間とともに少しずつしゃべってくれました。聞くと、この道60年以上とか。

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そして、服は、

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私はとても好みです。ナポリの中ではコンサバなラインと言われるFormosaですが、その線の無駄の無さと言いますか、、、ナポリの軽さ・柔らかさの上に、直線的なラインがきいている、、、丸いシルエットに男性的な線、、、etc、他のナポリスーツと比べればそんな言い方になりますが、ナポリの王道と言っても過言じゃないはずです。オーダーメイドスーツですから、本人たちに言わすと、男性的とかデザインとか、何とかとか言わず、「当然、最良のことをしているだけ」というスタンスでしょうが ^^

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↑きれいですね。こんな高番手の生地で美しいラインをつくるのは、それだけ手間がかかります

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↑袖の付き方や、エリのエッジラインなど、難しいことをさも簡単にやってます。

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こちらは、私が「(製作方法などの)写真をとってもいい?」と尋ねたところ、「いいよ」と言って皆で集合写真に集まってくれたところのほんわか画像です ^^

松熊良太

TITLEなぜイタリアのスーツなのか?

2016.10.05

こんにちは。

今回、私の「スーツ」に対する主観的考察を書きます ^^

私は、イタリアンスーツのファンであり、特にイタリアの仕立て屋がつくるその形と製法に敬意を持っています。

まず、前提として、150年近く前にイギリスで完成したと言われる今のスーツの形は、現在の形とほぼ同じです。生地のカッティング(型紙)や、縫製方法、縫い代の取り方や、アイロンワークなどの理論を完成させえたのは理論に頭の切れるイギリス人です。そして、それが世界中に広がる中で、手工業を得意とするイタリア人の、技術と感性の上に昇華したのがイタリアンスーツと言えます。スーツの大まかな形は同じでも、イギリス、イタリア、またその他の国々で土着的にそれぞれ進化した今日のスーツの中で、なぜイタリアンが高評価を得たのか。それは、イタリア人の洋服やものの形状に対する考え方、その具現化の仕方が優れていると言えるからです。それは、実際にイタリアメイドというタグがなくても、カッコイイ、モテる からと言えます^^

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そして、ここからが私の考察ですが、私が様々な人に服の製法を学ぶ中でその意味を考えてきました。最終目標は、単純にはカッコイイ形=ラインをつくれることであり、そればかりに頭と手を悩ませました。それらは、よく言う「デザイン」と簡単に片づけられない、150年以前から先人達が築き上げてきた、万人が良しと感じることのできる人間の意匠とそのための製作手法です。黄金比率的デザインと言えます。具体的には、上衿の上からラペルにかけての流れるラインや、服が体にしっかり乗った時の肩のシルエットライン、服の振れ方とフロントカット、袖の丸みなどなどの各部位です。そこに教科書はなく、すべては目で感じれることをどれだけ具現化できるかです。その感覚に研ぎ澄まされているのが、私にとって、イタリアンスーツ、特にはイタリア仕立て服だと言えます。

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例えば、イタリア仕立て服に多い、「袖がより丸い方」が良いのか(=イセが多い方が良いのか)。それは、腕は腕、胴体は胴体と見える服が、身体が動きの中でより"人間らしい"形に見えること、一種のセクシーさに近い、人を美しいと思う本能的な感覚のためであり、同時に、物体が美しい形状(デザイン)をしているという感動のためです。前述がハリウットスターへ感じるセクシーさの感覚、後述が靴や建築などのものの形状へ向けられた、きれいと思う感覚と言えます。その両方で服が評価されている。書きながらそんな風に思います ^^

そして、その形状を作るための製法を凝らすわけです。続きはまたに。

無論、仕立て屋による求める形や、時代・文化背景によっても求める形は違いますが。

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松熊良太