just in case......モダンアートと、あるジュエリーの関係

この時代に心惹かれるもの、それは、これまでの「美しいもの」や「素敵なもの」の定義に依らず・・・・・・

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美しいものは、もはや憧れではない?
最近、美しいと評価されるものの基準が変化してきたように思います。

本来、美しいと人が感じるものは、本能的なもの、つまり、様々な意味で均整がとれ、バランスの良いもの、憧れを誘発するような、「素敵」なものであったはず。

ところが、表現の自由が、全ての個人にゆき渡った現代では、従来の根源的なものから、もうひとつ進んだところにレベルが上がっていて、「高度にメッセージ性が潜んでいる」ものがおもしろい、と思うのです。とはいえ、やみくもに、インパクトのあるものや、意図的な狙いが見えすぎるものには、アート的な価値は感じられません。


ただ、本気のエクスペリメント(実験)には、心をくすぐる存在感があるな、と。

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6月から店頭に入荷した、ニューヨークのジュエリーブランド、MARLA AARON(マーラ アーロン)の作品はとてもユニーク。いわゆる日用雑貨店に見られるパーツ、キーロックをモチーフにした本気のハイジュエリーです。

登山道具として知られる「カラビナキーロック」の一種で、開閉部分があるリング状のキーロックは、ロープなどの視点を確実につなぐことができる、命を守るキーロックがモチーフ。

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彼女が使う素材は、無垢のシルバー、ゴールド、ピンクゴールド、貴石、半貴石など、本気のハイジュエリー。開閉できる部分は、ネジ式になっていて、各パーツを実際のキーロックと同等な作りになっていて開閉ができます。様々なサイズやカラーのキーロックが自在に開閉できることで、ジュエリーを持つ人がクリエイティブにジュエリーを組み合わせて遊ぶこともできます。

キーロックに特化したこのジュエリーは、一見、単純に見えますが、持つ人とともにクリエイションが広がり、パーツをコレクトすることで、さらに可能性が広がっていきます。とても奥が深く、持つひとのクリエイティビティが刺激され、だんだん愛着が湧いてきます。

そういえば、これは、何かに似ている......と思っていたのですが、わたしにとって、MARLA AARONのジュエリーは、実は、「高度にメッセージ性」に富んだ、モダンアートに近いのではないか、と思うのです。

機能としてのメタルパーツ。

キーロック(命をつなぐ鍵)とという形状。インダストリアルなものに美しさを見出すこと。

そして、無限に広がる変化の可能性は、オーナー(ジュエリーを身につける、とその人)がそこに参加することで、思いもかけない「ハプニング」が生まれます。それは、現代アートの代表的作家のひとり、Allan Kaprow(アラン カプロー)(公式ページはこちら)が生み出したアート活動「ハプニング」に近いような。

日常に見られる、工業的、あるいは、商業的なものをアートとみたて、リアルな世界の見え方を変えてしまった、Andy Warhol(アンディ ウォーホル)のアプローチのような。

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正当な美しさの文化がある程度成熟した現代。

今、心惹かれるものは、バランス(均整)の取れた、憧れを誘発するような美しいものではなく、従来のバランスを崩す、クスっと笑えるような本気のものではないかと、最近思うのです。

そうそう、おもしろいエピソードがあります。

かつて、日本を訪れた時、あちこちにある自動販売機に魅せられたデザイナー、MARLA AARONは、ジュエリーの自動販売機を作ってしまったのです。それが話題になり、初代の自動販売機は、ブルックリン美術館に所蔵されているとか。(MARLA AARONの自動販売機のオンラインアーティクルはこちら)

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まさに、現代アート。

そして、その現代アート的なアプローチを日常に身につけることで、アート活動に参加できる、これが、新しいジュエリー、MARLA AARONの魅力ではないかと思うのです。

大切にしたい今日のためのワードローブを。

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