『 ナポリが誇る手仕事の結晶 』ORAZIO LUCIANO 20th Anniversary

かつてキートンのマスターカッターを務めていたオラッツィオ・ルチアーノ氏が自身の名を冠して創業したスーツブランド、オラッツィオ ルチアーノ。伝統的なナポリ仕立てを頑なに守り、軽く柔らかな着心地を求め続けています。リデアカンパニー代表取締役、田島 淳滋が今年でブランド創業20周年を迎えたオラッツィオ・ルチアーノ氏との出会いをご紹介します。

18aw_journal_orazio_main.jpg


伝統的な仕立ての技術を継続しながらも、センツァインテルノ( 芯地なし )やマニカカミーチャ( 雨降り袖 )に代表される、軽やかなスタイルで人気を集めているのが、オラッツィオ・ルチアーノ氏が手がけるブランド。現在はオラッツィオ氏の長男である、ピーノ・ルチアーノ氏も加わり、生産管理に大きく関わることで、Ready To Wearとして、アジア市場へ展開を拡大しています。

18aw_journal_orazio_1.jpg

オラッツィオ・ルチアーノ氏

イタリアにはドイツのマイスター制度のように、職人に高い社会的地位を与え、人材や工芸品を保護するというシステムがありません。それでも職人たちは自身の仕事に誇りをもっています。そんな仕立て服業界の職制のなかで、最上位かつ仕上がりの出来を決めるのが"カッター"です。顧客の体型を見極めたうえで布を裁断し、その後もそれぞれの工程の職人に指示を出し、採寸や仮縫い時のチェックに至るまで、ほぼすべての工程に携わります。

ハンドワークを生かした縫い目の強弱、丁寧なアイロンワークに、わずかな副資材を適切なバランスで配合、圧倒的に軽い着心地とタイトなフィッティングでも動きやすい稼働性を生んでいます。

18aw_journal_orazio_3.jpg

「フィロソフィを共有し、卓越した技術でお客さまにぴったりのサイズで裁断する。それこそがオラッツィオ・ルチアーノ最大の魅力」

1994年、フィレンツェのリパブリック広場のすぐ近くにプリンチペという大きな老舗百貨店がありました。アルバやラルフ ローレンなどを揃え、当時としてはある程度先進的な品揃えのお店でした。その3代目当主はアンドレア・ドーリという生粋のフィオレンティーナ(フィレンツェで生まれ育った人)です。イタリアはそれぞれの地方ごとの人達が自分の生まれ故郷にプライドを持っています。特にフィレンツェのフィオレンティーナはスノッブです。15世紀にメディチ家が世界で初めて銀行を興し、ルネサンスを成し遂げた土地ですから、それも仕方ないのかもしれません。

そんな彼と、私が知り合ったきっかけは、彼が自分で小さなシャツコレクションを作っていたからです。ドッピオ ウーゾ(2つの仕様:1番上のボタンを止めればタイドアップでき、はずせばオープンカラーにもなるシャツ)をリバイバルさせたのは彼が最初だったと思います。私はそのシャツを初めて某セレクトショップに売りました。それが私の本当の意味で最初の卸ビジネスでした。残念ながら2シーズンほどで終わってしまいましたが、そのアンドレアから紹介されたのがパオロ・ディ・ルチアでした。元国家憲兵という異色の経歴で、体格はすごく良いがお調子者のナポレターナという第一印象。ですがその服はハンドメイドでよくできていたので、非常に興味を持ちました。

18aw_journal_orazio_23.jpg

そして彼に言われるままに、ナポリの工房を見に行くことに。ある夏の夜、空港に迎えに来てくれたパオロにナポリのとある民家に連れて行かれました。その2階にある大きな裁断用のテーブルで一心不乱に生地を裁断していたのがオラッツィオ・ルチアーノ氏、後にラ ベラ サルトリア ナポレターナを興した本人です。人なつっこい笑顔と威風堂々とした振る舞いはその昔から変わりませんが、当時はキートンのマスターカッターとして長年勤め上げて独立した直後でした。オラッツィオ氏の実力に目をつけたパオロが彼に作らせて自分の名前をつけて売っていたのです。

その後、2回程デリバリーしてもらったあと、パオロと音信不通になりました。いい加減なビジネスをやって、お金が回らなくなったそうです。ナポリのハンドメイド商品がなくなったため、新しいブランドの取り扱いを始めたこの時は、ずいぶんナポリに通いました。私がデザインしたものを職人たちが作るのですが、どうもコンセプトが通じない。何度も何度もやり直して作るのですが、うまくいかない。ファッションは技術だけではなく、やはり共通のフィロソフィが分かり合えないととうまくいかないと痛切に感じました。

そんな時にオラッツィオ・ルチアーノ氏と再会したのです。ずっとラブコールをもらっていたのですが、その時はすでに息子のピーノとラ ベラ サルトリア ナポレターナを立ち上げていて、荒削りでしたがやはり完成度は高く、パオロとの失敗から学んでビジネスの構成もきちんとしていました。

18aw_journal_orazio_5.jpg
18aw_journal_orazio_6.jpg

オラッツィオ ルチアーノの最大の特徴は彼の大胆なカッティングにつきます。カッター(裁断士)がスーツのスタイルの大部分を決めると言われています。普通テーラーは失敗を恐れて少し大きめに生地を裁断します。ところが彼は、ぴったりのサイズで大胆にカッティングしていきます。これは簡単そうですが大変難しい。この技術によって彼の服はクラシカルながらも、モダンな印象を与えることに成功しています。知り合って20年以上経つ今でも年に2回日本に来て、ストラスブルゴのトランクショーをやってくれますし、今ではイタリアや日本のみならず、ドイツ、ベルギー、オランダ、アメリカ、香港と、世界中に彼のファンを増やしトランクショーを行っています。

20th ANNIVERSARY PARTY


今年ブランド創業20周年を迎えたオラッツィオ ルチアーノ。6月ナポリで開催されたアニバーサリーパーティーの様子をお届けします。世界中から多くの方々の参加が見受けれらました。

18aw_journal_orazio_10.jpg
18aw_journal_orazio_12.jpg
18aw_journal_orazio_13.jpg
18aw_journal_orazio_14.jpg
18aw_journal_orazio_15.jpg
18aw_journal_orazio_16.jpg
18aw_journal_orazio_18.jpg
18aw_journal_orazio_19.jpg

当日のイベントの様子をまとめた動画もぜひご覧ください。
動画後半のオラッツィオ氏によるスピーチでは、これまでの20年間を振り返りながら、ブランドをここまで発展させることができたことを喜び、支えとなった全ての人に感謝を語りました。

SHOP EVENT


9月22日(土)~29日(日)ストラスブルゴの各店にて、オラッツィオ ルチアーノのビスポークイベントを開催します。当日はオラッツィオ・ルチアーノ氏本人が、お客様の採寸を行います。この機会に特別な一着を仕立ててみてはいかがでしょうか。

イベント情報はこちら

18aw_journal_orazio_20.jpg
18aw_journal_orazio_22.jpg
18aw_journal_orazio_21.jpg

NEW ITEMS

RECOMMENDED