Kaori Millinery(前田 かおり) インタビュー

ロンドンで伝統的な帽子の製作手法を習得し、メゾンブランドのファッションショーのヘッドウェア製作にも携わってきた経歴を持つ前田かおり氏。現在、拠点としている東京のアトリエでお話を伺いました。

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ストラスブルゴで定期的に帽子のビスポークイベントを行っている、前田かおり氏が手掛ける Kaori Millinery(カオリ ミリネリー)。

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アトリエの様子
photography/Tomonori Taneda


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photography/Tomonori Taneda

ロンドンでの帽子との出会い


以前からものづくりが゙好きだったかおりさん。大学卒業後より勤めていた会社を辞めロンドンで遊学している時に、伝統的な制作手法を継承する世界でも稀少なミリナー(帽子デザイナー・職人)Prudence(プルーデンス)に出会います。そこでクチュールミリナー技術を習得し、帽子デザイナー・職人として2014年に独立しました。

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イギリスの帽子木型職人によるハットの木型


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前田さんのアトリエに飾ってあるクリッピング
上:2015年に現代美術館で開かれた山口小夜子の展覧会の限定入場券
下:ロンドンに住む友人からのポストカードで、いつも利用していた手芸材料屋さんで売られているもの。


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帽子づくりに使う道具の一部


運命的に帽子づくりという道に出会ったかおりさんは、プルーデンス氏に大きく影響されました。プルーデンス氏は常にクチュールを意識したものづくりをしており、ファッション界での評価も高く、かおりさんは氏の元で有名メゾンのファッションショーのヘッドウェアも手掛けます。

彼女はデザイナーであると共に、ものづくりに対してとても厳しい目をもち、伝統的な技術を守り継承する職人でもあります。

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アトリエの一角に並ぶファッション本やカタログ


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ラフィアブレードハットのマテリアル


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かおりさん愛用のミシン


INTERVIEW


現在は東京をベースに、オートクチュールと工業生産両方の技術を生かしたビスポーク帽子職人、そしてヘッドウェアデザイナーとして活動されている前田かおり氏にインタビューを行いました。



ーーSTRASBURGOと仕事をするようになったきっかけを教えていただけますか?

STRASBURGO南青山店 ハウステイラーズラボのオープニングパーティーにお邪魔させて頂いたのですが、その時にリデア社の代表や商品部の方々にご挨拶させていただきました。

その時に簡単な資料をお渡しして自己紹介をさせて頂いたところ、後日ご連絡を頂いてSTRASBURGOでオーダー会をやらせていただく運びとなりました。


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ーー最近注目しているデザイナーやクリエイターはいますか?

沢山いますが、最近だとLVMHプライズウィナー、ダブレットの井野将之さん。日本では、大抵の若手デザイナーはクリエイションを続けていくこと自体が難しい状況で、製作に入るという0地点に立つだけでも、(特に資金調達の面で)相当な努力が必要とされます。それにも関わらず世界の若手デザイナーのグランプリとして認められるというのは並大抵ではない努力ができて、さらに周りを巻き込むパワーも凄いんだろうなと思います。

私は主に、目の前のお客様一人に向けてデザインしたイメージを自分の手で形にできるので帽子一本で活動できますが、在庫を多く抱えてしまうようなやり方だとそうはいかないはずです。

今後もっとヘッドウェアという括りの中で制作の幅を広げて行きたいと思っているのですが、この「周りを巻き込んでいくパワー」や、「巻き込まれたいと思って貰える魅力」を備えられるようになりたいです。



ーー帽子に「似合う・似合わない」は存在するのでしょうか?

帽子を被り慣れるまでは、存在します。逆に帽子を被り慣れると、どんな帽子も似合うようになります。ただし「どんな帽子も似合わない」ということは、まずありません。よく、似合う帽子がわからないとおっしゃる方がいらっしゃいますが、それは選び方のコツをご存知ないだけで、誰にでも似合う帽子はあります。とにかく被ってみて、自分に似合うバランスを発見すること、そして被り慣れることですね。

被り慣れない間は皆さんどうしても自分の欠点を隠そうとされてしまいがちです。例えば、顔が大きい方は、小さい帽子を被ろうとしたり面長の方が高さを極力抑えた帽子を選ばれたり。帽子はお顔や体型とのバランスが大切で、バランスが悪いと余計顔の大きさやお顔の形が強調されてしまうので、そういった欠点を補うバランスを見つけるコツを掴んで帽子をどんどん楽しんでいただきたいです。


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帽子の採寸の様子


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帽子の生地選び
photography/Tomonori Taneda


ーー男性と女性のものづくりをする際、こだわりや気を付けている部分はありますか?

男性だから、女性だからという括りでこだわりを分けるようなことは特にありません。色使いや形で男性的・女性的なものはそれぞれあるので、そこはデザインを決めるヒントとして助言させていただくこともございますが、基本的には常にパーソナルに向き合うように心掛けています。

ものづくりのこだわりというものではないかもしれませんが、一応帽子のトラディショナルなマークとして、アクセントとなる飾り(リボンなど)が男性は左に、女性は右に持ってくるようにしています。


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ラビットファーフェルトを使用したかおりさんのアートピース
作品名:Τέσσερα στοιχεία - 四元素

ーー次の秋冬のトレンドや傾向、素材や色はありますか?

特にありません。世の中のトレンドとしてはキャップなのでしょうけれども。お客様に向き合う際に、必要であればトレンドのものもご案内致しますが、トレンドアイテムは長くお使いいただけない(流行遅れになってしまう)事が多いので、折角のビスポークなら長くご愛用できるものや他にはないと思って頂けるものをご案内したいです。

素材に関しては、面白いものができそうな素材には日々トライ(&エラー)しているので、シーズンの途中で突然ニューアイテムが登場することもよくあります(笑)


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ーーお客様・ファンに向けてメッセージをお願いします。

オーダー会では「仕上がりを楽しみにしてます」と仰るお客様を店先でお見送りしながら、私もお客様とご一緒に決めたデザインの帽子を作れることにワクワクしています。帽子を作るという自分の大好きな仕事がお客様の楽しみに繋がっていると思うと、自分はなんて幸せ者なんだと思います。沢山のお客様に出会わせていただいているストラスブルゴというお店、スタッフの皆さま、見えないところでお世話下さっているリデア社の方々には本当に感謝ばかりです。

以前オーダーいただいたお客様が、後のシーズンでまた笑顔で会いに来て下さる事があります。それは自分が真剣に向き合って作ったものを気に入ってお使いいただけたんだと実感できる、何よりも嬉しい時間です。 これからもステキと思っていただける帽子・ヘッドウェアをご提案できるよう日々精進して参りますので、よろしくお願いいたします。

KAORI'S ART WORK

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モデル名:Holly

こだわりポイント:暗めの色のつば広の帽子は日焼け防止効果は高いのですが特に陽射しが強い夏にはお顔に掛かる影も強く暗くなってしまいます。お顔が明るく綺麗に見えるようにブリムの内側を白くしてレフ板効果を狙いました。

オーダーオプション:サンプルには白いドレーピングを施した太いリボンを付けてお客様にご覧頂いていたのですが、より気軽にお使いいただけるようトリミングのリボンのカラーを本体とトーンを合わせ、フラットでシンプルにしました。

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モデル名:Sam

こだわりポイント:メンズスタイルの中でもかなりカジュアルなシェイプです。素材のシゾールは染色に向いており、カラーリングやバイカラー、単色リボンではないトリミングのオプションをご覧いただきたくサンプルとしてご用意したものです。

オーダーオプション:染色は色を調合して一つ一つ染色するので、何色でもご対応できます。また、クラウンとブリムではっきり色分けする他、グラデーション染色も可能です。


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モデル名:Marlene


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モデル名:James




ストラスブルゴでは定期的に「Kaori Millinery」のハットオーダー会も実施。あなただけに似合う、凛とした佇まいの美しい帽子を手に入れてみてはいかがでしょうか。

KAORI MILLINERY公式サイトはこちら
KAORI MILLINERY公式インスタグラムはこちら


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