フランス人間国宝 Serge Amoruso インタビュー

メートル・ダールと呼ばれるフランスの伝統工芸の最高技能者に与えられる称号を持つレザークラフツマン、Serge Amoruso(セルジュ・アモルソ)氏。卓越した技術と伝統的な技法をもとに全ての工程を手作業で行い、芸術品とも称される作品を生み出しています。そんなアモルソ氏の日本との出会いや、メートル・ダールに選ばれた感想をインタビューでお届けします。

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セルジュ・アモルソ氏は、1959年イタリア・ベネチアで生まれました。黒檀細工職人だった父の影響もあり、幼少の頃から木材に触れて育ちました。生物や自然への興味・関心はもちろん、ガラスや金属など、様々な素材に触れて育つ中、彼は特に革という素材の無限の可能性を秘めたセンシブルな魅力に取り憑かれ、15歳で革職人の道に進みました。

1978年から約7年、某有名ブランドの特注品アトリエで働き、1995年にパリで自身のアトリエを構えました。アモルソ氏のこだわりでアトリエには一切機械を設置せず、クロコダイルやガルーシャといいった高級素材を前に、お客さまの好みや職業、使用頻度など様々な要素を話し合いながら、カラーやフォルムを決めて製作にあたっています。

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セルジュ・アモルソ氏

そんなアモルソ氏は、1994年にフランスで策定された、熟練の技とノウハウの希少性、工芸分野の革新への貢献を評価する者に送られる、Maître d'art(メートル・ダール)という称号を2010年に受けました。

2017年9月に上野の東京国立博物館にて開催された、『フランス人間国宝展』にも招待され、作品展示も行い、技術者としてだけではなく、芸術家としても広くその名を知られるようになりました。

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『フランス人間国宝展』にも展示されていたバッグ、「クフ王」

INTERVIEW


アモルソ氏の日本との関わり、インスピレーションソースや人間国宝に選ばれたことに対しての想いに迫るインタビューを行いました。

ーー日本をはじめて訪れたのいつですか?またその時はどのような印象を受けましたか?

初めて日本を訪れたのは二十歳の時でした。それはまるで夢の様な経験でした。当時フランスで合気道をやっていて、日本にすごく興味を持っていたのです。友達と日本を巡り、伝統文化や芸術の魅力にも多く触れ、刺激をもらった記憶があります。


ーーストラスブルゴとお仕事をするきっかけは何ですか??

リデアカンパニーの当時の常務とフランスで出会い、まだ日本との関わりを持っていなかった僕にとって、それは大変嬉しい出会いでした。また、代表である田島氏も僕の技術やスタイルを信頼かつ理解をしてくれたおかげで、長年夢だった日本でお仕事をする夢がかなったのです。15年以上にわたって日本を年に数回訪れトランクショーを開催し、ファンの方々もたくさんでき、感謝の気持ちでいっぱいです。


ーーあなたにとってストラスブルゴのイメージをお聞かせください。

ストラスブルゴのお客さまは非常にエレガントで、おもてなしの心も持っている方が多い印象です。


ーーデザインのインスピレーションはどこから得ていますか?

多くのデザイナーさんは日常生活などからインスピレーションを得ている人が多いかもしれませんが、私は常にお客さまからアイデアを得ています。私はお客さまと合わない限りオーダーは決して取らないのです。お客さまのライフスタイル、好みの色や形、それぞれ内容が異なります。いつもお客さまの要望に合わせてオーダー品を作製していく中で、彼らから様々なインスピレーションを得て、自分の可能性を試しています。

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ーー男性と女性の両方の顧客を持ち、作品を手掛けていますが、〇〇づくりの際にこだわっていることや、気を付けている部分はありますか?

男性と女性が使用するアイテムは全く別のものだと思います。例えばバッグをデザインしている時、一番気にしているところは持ち手のハンドルのディテールです。男性と女性では、当然手の大きさも異なるので、1㎜単位でハンドルを調節して作っています。


ーーこの先、新たにチャレンジしてみたいことはありますか?

常に新しいことに挑戦をしています。一つチャレンジしてみたいことは、1950年代のジャガーの車の内装ではなく、外装をガルーシャの革で覆いたいんです。とても壮大なプロジェクトではありますが、自分自身のレベルをもっと上げていくためにもやってみたいです。


ーーこれまで仕事をしてきた中で、印象に残っている仕事はあります?もしあればエピソードを教えてください。

以前、あるお客さまから、ゴルフバッグの依頼をいただいたことがありました。当時私はゴルフに全く知識がなかったため、お客さまの要望に応えられないかもしれないと、一度はお断りしました。しかし、お客さまは私が過去に作った作品の質や取り扱っている素材に関してもよく知っており、私の作るものを信頼しているという一言を受け、細部にも万全の注意を払い、引き受けました。

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ーー日本の文化とフランスの文化で、似ているところはありますか?

日本とフランの文化には似ているところがたくさんあると思っています。ともに美食の国でもあり、芸術においても類似点があるように感じます。例えば、1900年に開催されたパリ万博で広がった日本芸術のブーム(ジャポニズム)。浮世絵で有名な歌川広重の影響を受けたフランスの画家はきっと少なくないでしょう。


ーーフランスの人間国宝に選ばれたこと、そして2018年10月に日本で開催された、フランス人間国宝展の感想を聞かせください。

まさか自分自身が選ばれるなんて思ってもいませんでしたので、とても感動しました。なぜなら、僕の両親はもともとイタリア人であり、その後、フランスへ渡りましたが、それは僕がフランスの人間国宝に選ばれたことはきっと特別なことだと感じて、非常に嬉しかったです。日本で行われた人間国宝展はまた、新たな刺激がたくさんありました。普段は個人で仕事をしている私ですが、他に14名の人間国宝たちと一緒に展示会に出展することで、皆さまと高いレベルのアートを分かち合うことができたと思います。


ーー日本にいるお客さま・ファンに向けてメッセージを言お願いします。

私の作品に対して信頼を持って下さっている皆さまに大変感謝をしております。皆さまのリクエストになるべく応えられるように仕事をこなしていきます。まだまだブランドは小さいですが、これからますます努力しますので、楽しみにしていてください。

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「まず見て美しいと感じることができるかどうか」を重要視するアモルソ氏は、常に新しい素材を探し回り、一つひとつの作品に情熱を込めて唯一無二の芸術品のを生み出しています。

SHOP EVENT


11月30日(金)~12月12日(水)の間、セルジュ・アモルソ氏がフランス・パリより来日して開催する、革製品のオーダーイベントでは、お客さまのご要望をもとにじっくりと話し合い、世界にひとつだけの特別な作品をお作りいたします。この機会にぜひお楽しみください。

※バッグ、財布などの革小物、レディースアイテムのオーダーも承ります。

イベント情報はこちら

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ブラックにブラウンパイピングのブリーフバッグ

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内側は好みに合わせてカラーも選べます

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同じ素材で様々なアイテムもオーダーできます

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クロコダイルを使用した名刺入れ

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豊富なカラーやマテリアルでできたクフ王バッグ

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鮮やかな色のドキュメントケース

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使うごとに手に馴染むペンケース

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