FOCUS ON 2024 AW Vol.3  IL BORGO

たっぷり語りたい、あのブランド・この名品

品質と品格、技巧の極みを探求する
<IL BORGO>の最高級カシミヤニット

ニット王国として世界に君臨するイタリアには、優れた品質を誇る数多くのニットウェア専業メーカーが存在します。しかしそんななかでも一際異彩を放つ<IL BORGO>は、厳選された最高の素材を駆使し、最高の職人技術と微に入り細を穿つような配慮で丁寧に織り上げた、まさに最高峰の上を行く"雲上"ブランド。素肌を優しく包み込む肌着のような着心地と、圧倒的なオーラとエレガンスを醸す佇まい。一分の隙もないパーフェクトな1枚を、この秋こそ手に入れてみてはいかがでしょうか。

"本物のカシミヤ"を堪能できる
一張羅感覚の極上ニット

かつてのトスカーナ大公国の君主であり、ルネサンス文化の担い手でもあったメディチ家が愛した芸術の都。そして中世の時代から毛織物業や金融業で栄え、いまなおイタリア文化の中心地であり続ける、古都フィレンツェ──その伝統と職人による卓抜の技術を継承する一族によってフィレンツェ郊外のムジェッロに位置する丘の街、ボルゴ サン ロレンツォで1949年に創業した世界最高峰のニットウェアメーカーが、「IL BORGO CASHMERE」。そして数多のラグジュアリーブランドからの依頼が絶えない彼らのオリジナルレーベルこそ、この<イルボルゴ>です。

優雅でさりげなく、あくまで上品に"高級感"を醸し出すそのコレクションは、自然豊かなトスカーナ地方の土、水、空気、そして人を体現するかのよう。ただ上質で高級なニットウェアなど、イタリアにはごまんとあります。しかし<イルボルゴ>が特別なのは、伝統を受け継ぎながらも常に最高の"その上"を追求し、素材、技術、デザイン、ディテールなど、あらゆる面での進化を追求するその精神。タイムレスな不朽の価値を有する製品のみを創造し、同時に"最新こそ最良"であることを体現し続けている──そんな革新的老舗ブランドなのです。


今回、24年秋冬の最新コレクションからピックアップしたのは、極上の"本物のカシミヤ"を駆使したミドルゲージのニットウェア2種。

ボリュームたっぷりなショールカラーとアクセントカラーのステッチワークが際立つセーターは、カジュアルでリラックスしたデザイン。されど、ほどよくスリムなシルエットとキリッと引き締まった端正なリブ編みのショールカラーによって、ほどよい緊張感を漂わせるゴージャスかつラグジュアリーな1枚に仕上がっています。

たっぷりと空気を孕んだカシミヤ糸がほのかに煌めき、控えめながらもその高級感は一目瞭然。もちろんステッチ部分に使用されているのも、5ゲージのカシミア素材。熟練の職人によるハンドクラフトによって手の温もりを感じさせつつ、ありきたりな"ほっこり"感に着地しない絶妙なさじ加減は、まさに<イルボルゴ>の面目躍如といったところでしょう。

さまざまな場面で思い思いの着こなしが楽しめる、フロントジップのハイネックカーディガンもおすすめです。こちらもシルエットはほどよく細身で、着丈もしっかり確保された大人仕様。着こなしのニュアンス出しに、保温性の調整にと、自由自在にアレンジできるダブルジップだから、すっきりモダンなハイネックセーターとして、あるいはコートやジャケットのインナーに着るミドルレイヤーとして、さらにはジャケットのようなアウターとしても着用可能。紳士のライフスタイルにおける、あらゆるオケージョンを網羅する華麗な万能性を発揮してくれること間違いなしです。

よく見ると、こちらも袖付け部分に5ゲージ糸によるハンドステッチが。このさりげないディテールが、時代を超越する普遍性と独創的な個性を見事に両立させる、<イルボルゴ>ならではの重要なアクセントとなっているのです。

ウォーム感たっぷりなれど"ほっこり"しない、伝統的な手仕事とモダンなテクノロジーや感性との融合で魅せる極上のニットウェア──そんな<イルボルゴ>のアイテムに、これからもご注目ください。


Photographs by Mai Kise
Styling by Taichi Sumura
Edit & Text by america
Cooperation by 08book