VOL.3
SANTONI

名作シューズを起点に構築する
この冬おすすめの最旬ルック 〜エドワード グリーン編〜

「今日(あるいは明日?)、どんなコーディネートで出掛けようか?」───これはきっと、ファッションを愛する誰もが抱える日常的な"お悩み"のはず。コートから、ジャケットから、あるいはトラウザーズからと、コーディネートの起点となるキーアイテムや着こなしのアイデアは、まさに人ぞれぞれ。しかし私たちはいま、「おしゃれは足元から」という古典的かつ使い古されたお題目に、改めて注目しています。古典的とはつまり、時代を超えて受け継がれているということ。そして本質を突いているからこそ長く、多くの人々が語り継いできているのです。英国紳士靴の最高峰ブランドとして、130年以上にわたって君臨し続ける<エドワード グリーン>。その至高のクオリティとステータスをエレガントに堪能するには、色調を揃えたトーナルなレイヤリングスタイルがおすすめです。。

スタイル 1
スタイル 1

Style 1

節度と華やかさを兼ね備える
最強のメリハリスーツスタイル

最もカジュアルなレザーシューズとして位置づけられるコインローファーでありながら、レースアップのドレスシューズにも引けを取らない品格を備える傑作として名高い、<エドワード グリーン>の「PICCADILLY」。ローファーモデルの定番ラスト「184」を採用したすっきり細身のシルエットと気品漂う佇まいは、ウィークデーのビジネスシューズとしてスーツに寄り添い、週末のカジュアルシューズとしてジーンズにもフィットする、最強の汎用性を発揮。大人のエレガンスを軽やかにに演出してくれる、至高の一足です。
今回は<サルトリオ>のスーツをカジュアルに、華やかに愉しむタイドアップスタイルをご提案。落ち着きのあるシックなブラウンの段返り3Bスーツは、ほどよいゆとりのある大見返し仕様の「IZG」モデル。かすかに起毛した上質なピュアウールで仕立てられた、温もりのある風合いがポイントです。胸ポケットには<ディエッフェ キンロック>のプリントハンカチ、ヴィンテージファブリックを駆使したスペシャルな<フライ>のストライプシャツは、<キートン>のボタニカル柄プリントタイで華麗にタイドアップ。さらにシャツのインナーに<ストラスブルゴ>オリジナルのタートルネックセーターを合わせてダークに引き締めることで、アーシーなトーンのなかに小気味いいコントラストを効かせた、遊び心たっぷりなスーツスタイルが完成します。
紳士のナイトライフをハッピーに盛り上げてくれるのはもちろん、しっかりオフィスにも馴染むマナーをわきまえた、オールマイティな着こなしといえそうです。

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Style 2

注目のグリーンでまとめつつ
立体感を生み出す上級テクニック

きめ細やかなスエードで仕立てられた、スリッポンタイプのワンストラップシューズ「HORTON」。こちらも「PIACCADILLY」同様の「184」ラストを採用しており、丸みがありながらもすっきりスリムという絶妙なトゥシェイプが印象的かつ実用的です。ワンストラップのさりげない装飾性がクラシカルな印象を強調し、カジュアルで軽快な履き心地と両立している才色兼備な1足は、間違いのない新マスターピース候補最右翼です。オリーブグリーンのスエード素材という個性的かつシックなテクスチャーを活かすには、全身をトレンドカラーでもあるグリーン系でまとめたトーナルなエレガントカジュアルをおすすめします。
圧倒的な存在感を放つM65フィールドジャケットタイプのブルゾンは、なんと繊細かつ上品なカシミヤメルトン生地で仕立てられた<キーレッド>による逸品。その極上のファブリックが放つ高級感に加え、襟型をステンカラーとしたことでミリタリー由来の無骨さは薄れ、都会的で洗練された紳士のアウターへと仕上がっています。イタリア・ナポリで4代続くパンツ専業の名門サルトである<アンブロージ>のトラウザーズは、スリムに見えてほどよいゆとりのあるシルエット。ハイウエスト、インプリーツ、細部にまで行き届いた精密なステッチという"らしさ"満点で、 ジャケットとは違い日中に決して脱ぐことのないトラウザーズを、美しく快適な芸術品へと昇華。グリーンがかった美妙なグレーが、「HORTON」との美しい調和を生み出しています。
カシミヤモックネックセーターに27ゲージのウールニットポロニットをレイヤードした、<クルチアーニ>のニットアンサンブルにもご注目。ポロニットの襟をブルゾンの襟に重ねることで、まとまりのあるトーナルコーデに立体感と奥行きを生み出すテクニックは見逃せません。イタリアならではのさまざまなパスタを図案化し、淡いブルーで表現した<ディエッフェ キンロック>のシルクスカーフが、グリーンで揃えたルックに爽やかなアクセントを添えてくれます。

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Style 3

素材感と煌めきが色気を醸す
全身ブラックのミニマルコーデ

ファッションのカジュアル化とモダンなストリートカルチャーが融合したスニーカーブームの揺り戻しのように、レザーシューズへの"回帰"が大きなトレンドとなって久しい昨今。着脱のしやすさや履き心地の柔らかさという点においてスニーカーと類似するサイドゴアブーツは、現代の秋冬スタイルにおいて欠かせない1足です。なかでも<エドワード グリーン>の「CAMDEN」は、U字型にカットされたサイドゴアやスマートかつシャープなシェイプ、コバの張り出しをグッと抑えたアウトソールなどに、ドレッシーでエレガントなムードを漂わせる傑作モデル。型押しのユタカーフを駆使したアッパーは、一般的なカーフに比べて多くの油分を含んでいるためしなやかで表情豊か。耐水性にも優れているという、実用性を兼ね備えています。
この艷やかなブラックのテクスチャーを引き立てるブラックワントーンのコーディネートにおいて鍵となるのは、同じくレザーを駆使したパフベストです。マットなブラックのレザー面とキルティング面、異なる表情を楽しめる<エス>のリバーシブルベストは、シーンに応じた自由自在のスタイルチェンジが可能で、コーディネートの幅を大きく広げてくれるマストバイアイテム。保温性が高くネックとウエスト部分はドローコードによりフィッティングを調整できるため、タウンユースはもちろん、アウトドアでもしっかり活躍してくれます。 インナーは、上質なウールカシミヤを贅沢に使用した<マック ジョージ>のアランセーターを。クールなブラックをチョイスし、タイドアップした<フライ>のダークなウールジャージーシャツに合わせることで、ほっこり感とは無縁の男らしいウォーム感が手に入ります。さらに腰回りに<メゾン ガウチョ>のダブルリングベルトを添えれば、ベストの金具とリンクした鈍い煌めきが漆黒のスタイルに過不足のない色気をもたらしてくれるのです。

Photographs by Mai Kise
Hair by Yusuke Morioka (eight peace)
Styling by Taichi Sumura
Model by Etienne (EXILES)
Edit & Text by america
Cooperation by 08book