2015年という年は、もしかすると、様々な人にとって、大きな節目の年になるのではないかと感じています。インターネットやSNSがファッションにも大きく影響し、発信源としてのメディアが多様化しています。つまり、情報の根元も分散され、多くのひとが単純に雑誌を見ていれば、最先端で、楽しい、という時代から遠いところまできてしまったような気がします。
わたしの学生時代は、情報源は、雑誌とテレビ。でも、今は、わたし自身も違うな、と感じています。
原始的なように聞こえるかもしれませんが、こんな世の中だから、わたしは、信頼できる人から人をたどって、または、自分で触って感じて、「体験」することで、わたしも本当の目利きになり、お客様に本当の心で、いいものを伝えたいと思うのです。
11月、サイモン・アルカンタラが来日します。
もしかしたら、わたし自身が、もっとも楽しみにしているイベントかもしれません。
今年で、サイモンの来日トランクショーを始めて、約10年でしょうか。2004年に外苑前の小さなお部屋のようなストラスブルゴウィメンズストアが、表参道交差点付近にお引越ししたころからですから、やはり、約10年。
彼の初めてダイヤモンドコレクションが発表されます。それは、彼にとって、早すぎることも、遅すぎることもなく、まさに、今、このタイミングに、内側から湧き出てきたもの。ヴィンテージのパーツを集め、ジュエリーを自分で手編みしながら作っていたころに、天才スタイリスト、パトリシア・フィールドに見出された才能は、その後、ライジングスターと称され、ニューヨークのファッション業界で、最も、栄誉ある「CFDA賞」を受賞。(まさに、ファッション業界・ファッションジュエリー業界のアカデミー賞です)
バーグドルフ・グッドマンの大きな壁面を埋め尽くしたり、映画『プラダを着た悪魔』でメリル・ストリープが着用したり、セックス・アンド・ザ・シティでも、サイモンのジュエリーが使われました。バルマンオートクチュール、そして、先日、惜しくも亡くなられた、アメリカのゴッドファーザー的デザイナー、オスカー・デラレンタのショージュエリーを手掛けたり......と、様々な出会いと別れを繰り返しました
2015年CFDA Jewelry部門のチェアマンにサイモン・アルカンタラが抜擢され、初めて、ダイヤモンドコレクションを手がけました。自らのコレクションも非常に高い評価を受け、さらに、世界でもっともクリエイティブと言われる、アメリカのファッションジュエリーデザイナーに勇気と希望を与える、様々なプロジェクトを開始しています。
11月13日より、名古屋を皮切りに、全国で開催される、サイモンアルカンタラのパーソナルアピアランスでは、サイモンらしい、カジュアルにも、パーティにも身に着けられる繊細かつ、美しい石のもつ強さを感じさせる『ダイヤモンドコレクション』と、2016年春夏のファッショントレンドである、プリミティブ(原始的)、ワイルド(野性的)で、都会的なサファリを想起させる、『フェザーコレクション』(羽を使ったコレクション)、そして、定番の『フープコレクション』には、「ゴールドスピネル」(自己実現の石ともいわれています)が登場。このゴールドスピネルは、一瞬、ダークカラーのダイヤモンド?と思わる、なんとも美しい光を放ちます。
確実に、次のフェーズへと歩みを進めたサイモン・アルカンタラのコレクションは、ある種、涙を誘うほど美しく、その完成度と、プリミティブなものつくりのあたたかさの中に、恍惚とさせられます。
サイモン・アルカンタラの新作フルコレクションは、毎年、このタイミングでしかご覧いただけません。できるだけ多くの方に、この素晴らしいコレクションをご覧いただきたい、と心から願っています。
全国のサイモン・アルカンタラのトランクショー日程は下記のリンクにてご確認ください。
http://strasburgo.co.jp/womens/news/2015/10/simon-alcantara-5.html
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