限定で知る、エドワード グリーンの"革新"
エドワード グリーン銀座がオープンし、あっという間に1年が経過。たくさんのお客様に支えられながら迎えることができたこのアニバーサリーに際し、何か特別なモデルを作ることはできないかと私たちは考えました。そしてその結果として誕生したのが、トップドロワー専用として開発された"チャーチル"の進化形、"チャーチルⅡ"なのです。
トップドロワーとは、アトリエ内でもごく限られた職人だけが手掛けることを許されるトップラインのこと。EDWARD GREENの歴史の中で育まれた、最高の技術を惜しみなく注ぎ込んで制作されます。その佇まいは、あたかもビスポークのよう。一時経営難に陥っていたEDWARD GREENを見事に立て直した前社長であり、自身シューズデザイナーでもあった故ジョン・フルスティックが生み出したことでも知られています。
そんなジョンとトップドロワーに敬意を払い、彼の右腕であったヒラリー・フリーマン現社長や、アトリエのパタンナーとの議論と試行錯誤を積み重ねて作り上げられた渾身のモデル---。それが、この"チャーチルⅡ"です。ベースとなった"チャーチル"は、あくまでトップドロワー専用モデル。そこで"チャーチル"を弊社ならではの感性とこだわりを持って、進化させることにいたしました。
熱烈な支持者も多い"808"ラストの優美なラインや、"スワンネック"と呼ばれる印象的な飾りステッチはもちろん踏襲。進化したポイントとして挙げられるのは、まずトゥのパンチドキャップです。ギンピングと呼ばれるギザギザを廃しストレートカットとすることで、よりエレガントな表情に仕上げました。そしてヴァンプと羽根の重なる部分の強度を高めるためのディテールである「かんどめ」と呼ばれる部分は、クラシカルな半月型の"ハーフムーン"仕様に。同様に、ヒールステッチの返しも手の込んだ頑強な作りとなっています。
さらにエドワード グリーンからは、もう1型注目の限定アイテムが登場しています。ストラスブルゴのオンラインストア限定カラーである、ダークオーク・アンティークの"デューク"です。
かのウィンザー公をモデル名の由来とする、端正なペニー・ローファーである"デューク"。今でこそブラウンのバリエーションやボルドー、ネイビーまでを楽しめるようになっている英国靴ですが、「黒しか履かない」というのが伝統的な英国紳士の常識でした。
そんななかでEDWARD GREENに新風を吹き込んだのも、やはりジョン・フルスティックでした。黒一辺倒だったコレクションに、ダークオーク・アンティークというブラウンカラーを加えたのです。このダークオークは、英国紳士の靴への意識に革命をもたらすものでした。そして今日、EDWARD GREENに欠かせないカラーとなり、さまざまなモデルで使用されながらもストラスブルゴのラインナップには存在していませんでした。
稀代のファッションアイコンである英国紳士を象徴する"デューク"を、モダンな英国を象徴するダークオーク・アンティークという限定カラーで愉しんでいただきたい---。そんな思いから、ストラスブルゴのオンラインストア限定色としてご紹介しています。
名作"チャーチル"をシックかつスタイリッシュにアップデートし、耐久性をも向上させた"チャーチルⅡ"は、ファンならずとも必携の一足。そして新定番モデルとして注目される"デューク"の、気品漂う洒脱なダークオーク・アンティーク。どちらも創業者のエドワード・グリーン、ジョン・フルスティック、そしてヒラリー・フリーマンと受け継がれてきた、EDWARD GREENの"遺産"と"進化"への情熱を、強く感じられる一足であると言えるでしょう。
アウトソールには、シングルとダブルの中間の厚みである『B1』ソールを採用。これは世界初登場の特別仕様です。ほどよい重量感と厚みのあるソールが、しっかりと身体を支えてくれます。土踏まず下のアーチのサポートと相まって、より地面を踏みしめる感覚を楽しんでいただけます。
インサイド・ストレート&アウトサイド・カーブの流麗なフォルムは、まさにスタイリッシュ。さまざまなオケージョンにはまる、EDWARD GREENの新定番候補です。シンプルであるからこそ革の質感、木型の美しさが際立ち、ごまかしは決して効きません。繊細で味わい深い、極上の経年変化をお楽しみください。
Producer:関山昌宏(Apparel-Web, Inc.)/ Photographer:静物・正重 智生(BOIL)/ Writer:america