ミドル＆ローゲージ、大人のモダンな主役ニット

　ファッションにおいて、季節感というのは極めて大切。シーズンという意味では春夏と秋冬というふたつに大別されますが、美しい四季がある日本に暮らしているのなら、秋には秋の、冬には冬の"らしい"着こなしを思う存分楽しみたいものです。
　さて、大人の冬スタイルに欠かせないアイテムといえば、セーターです。3シーズンしっかり着回すことができるハイゲージニットのセーターと比べ、ミドルやローゲージのものが活躍するのは、秋深まってから冬本番までという限られた期間のみ。これはデメリットなようにも思えますが、実はそうではありません。いつでも着られるものではないからこそ、季節感や"旬"度をより一層強くアピールできるのです。
　そこで今回は、まさに"旬"を迎える魅力的なミドル＆ローゲージのセーターをピックアップ。ウォーム感たっぷりなのに、野暮ったくない。冬らしいファッションを楽しむ術を知る大人の男性にこそふさわしい、逸品の数々をご紹介いたします。

　まずは鉄板、クルチアーニから。
　冬のホワイトというのは、なにもレディースファッションの特権というわけではありません。この爽やかですっきりとした色味が、ミドルゲージのタートルネックセーターが持つほっこり感をモダンに昇華。確かなウォーム感とスマートなルックスを両立してくれます。
　合わせたパンツには、さりげないホワイトのウインドウペーン柄が。クラシックなスニーカーまで連なるホワイトづくしの色使いが、この洗練されたまとまりのある着こなしの秘訣です。まさに主役級の存在感ですが、コンパクトなアームホールとスリムフィットのためコートのインナーとしても重宝すること間違いなし。クルチアーニならではの最上級の着心地、スタイリングの幅広さで、まさに別格の仕上がりです。

　クリーンで都会的なホワイトだけでなく、トレンド感の際立つマスタード、ベーシックで取り入れやすいネイビーやライトグレーなど、豊富なカラーバリエーションも魅力です。よく見ると、前身頃はミドルゲージ、後ろ身頃や袖はハイゲージと編み地を替えているのもポイント。一見とてもシンプルですが、実はネックの長さやリブの厚みなど、細部にまで非常に手が込んでいるのが分かります。

　続いてご紹介するのも、同じくクルチアーニから。ミリタリーセーターのような肩当て風デザインを、パッチではなく色の編み替えで表現しているミドルゲージセーターです。
　上質なウールを駆使したこの新作は、ワイルドでもなく平面的でもない、絶妙な立体感のミドルゲージニットを採用。肩当てのように見える編み替えを取り入れることで、ラグジュアリーでありながら男らしさを醸し出す、ミリタリーテイストをスマートに取り入れることに成功。ハイセンスなデザイン性が光ります。
　おすすめは、このブラック＆ベージュという色使いとシンクロする、チェックパンツを合わせるコーディネイト。パンツはチェックの柄部分がブークレのように起毛し、これみよがしではない適度なウォーム感をエレガントに演出してくれます。

　またモダンなテーラードアイテムでメンズウエアをリードするラルディーニからも、思わず食指が動いてしまう魅力的なセーターが登場しています。
　最高品質のイタリア産ウールを使用したこのタートルネックニットは、まず身頃と左袖を貫く太いラインが目を引きます。落ち着いたオリーブグリーンにグレーという色使いが、デザインのポイントになるとともにタイムレスな定番性をも担保。ミリタリーウエアのような雰囲気も漂わせています。
　さらに極端に長く取られた袖口や裾のリブにより、デザイナーズのようなモード性とカジュアルなムードを獲得。ラルディーニならではの美脚シルエットと洗いが掛かった素材感のリラックス感が共存する、コットンパンツとの相性は抜群です。

　最後に、ラルディーニからもう1点。貴重で希少なキャメルヘア100%のケーブル編みセーターをご紹介したいと思います。
　一般的にカジュアルなイメージの強いケーブルニットではありますが、さすがは天下のラルディーニ。ほどよくタイトで美しいシルエットによって、上品かつスタイリッシュに仕上げています。どことなくケーブルの編み模様も、立体的で個性的。両脇や袖の内側などは平編みなので、身体の動きを妨げることもありません。
　この洗練された雰囲気を最大限に活かすには、ブラウンのコットンパンツを合わせたトータルなコーディネイトがおすすめ。快適な穿き心地と流麗なシルエット、そして表情豊かなファブリックという、PT01の真骨頂ともいえる要素が高い次元で凝縮されたコットンパンツなら、申し分なしです。