The Treasured Essentials / 私の偏愛名品
Phillipe Atienzaのビスポークシューズ
著者:岡田 憲典さん(リデアカンパニー 執行役員)
Phillipe Atienza(フィリップ・アティエンザ)との出会いは、私がストラスブルゴ大阪店で勤務していた頃にさかのぼります。店舗のショーウィンドウを外からチェックしていたところに、スキンヘッドと髭とが大変印象的な外国人男性が通りかかり、近隣の靴専門店へ入っていきました。その店はちょうどビスポークの受注会を開催中でしたので「職人さんかな?」と思う程度だったのですが、彼こそがフィリップ・アティエンザ氏本人でした。それから数年後、彼が当時手がけていたパリの名門老舗ブランドMassaro(マサロ)の靴を弊社で展開すると聞いたとき、運命を感じました。「あのときの方と一緒に仕事ができる!商品を取り扱える!」と、興奮したものです。
Phillipe Atienza(私物)
フィリップ氏があつらえる靴の魅力を、私は「オーセンティックなデザインの中にたたずむ、唯一無二の存在感」という言葉に凝縮します。一般的に靴というものは、メーカーこそ違えどもデザインはほぼ同じ。しかし、履く人の"クラス感"を表す、なによりも侮れない存在です。小面積であるからこそ、少しの違いが全身の印象を大きく左右するのです。
フィリップ氏は、歴史あるシューメーカーのビスポーク部門でキャリアを積んできた靴の伝道師、職人のなかの職人です。そんな彼が満を持して自身の名を冠したブランドを立ち上げ、これまで幾多の靴職人が築き上げてきた伝統と高い技術を継承しながら、現代的な要素も取り入れていく。そんな確固たるベースと革新的なプロセスに裏づけされた靴は、あたらしいなかにも本質的な美しさを兼ね備えています。」
Phillipe Atienza(私物)
少年時代から靴に並々ならぬ興味を持って大人になりましたが、服を買ったあと、それに合わせる靴にいつも困っていました。さらに、服がおしゃれでも靴がイマイチなため、全体の印象が残念な方も多いと感じていました。それは逆に「靴さえ決まっていれば、おしゃれは99%完成する」ということ。定番的ですが「おしゃれは足もとから」という思いを常に抱き、靴を選んでいます。すると行き着くのは流行の靴ではなく、昔から愛されているクラシックなデザインでシンプル、そして上質感のある靴。私自身の靴編歴を振り返って気づいたのですが、環境の変化を伴うときや次のステップに進むときなどに自分を引き上げるモチベーションアップの重要なツール、それが靴なのです。
靴をあつらえるプロセスのなかで、仮縫いの状態から修正を加えていく道程は、答えが見つかりにくく、正解もない。しかし、ひとつひとつ確認しながら作り上げていくこと、それが徐々に形になっていく様子は強いこだわりを生み、それが愛着へとつながっていきます。私がフィリップ・アティエンザの靴をあつらえる理由、それは、さまざまな面で自分に自信をくれる存在だからであり、今の自分自身を表すものでもあり、さらに長く連れ添うものへの憧れでもあるのです。
Phillipe Atienza氏
Phillipe Atienzaビスポークイベント
フィリップ・アティエンザのクリエイション、その素晴らしさを直接体感いただけるビスポークイベントを開催します。
この機会にぜひ、一生愛せる靴をあつらえてみてはいかがでしょうか?
6月21日(木)・23日(土) 銀座店:03-3573-6190
6月22日(金) 大阪店:06-6243-7842
6月24日(日)- 26日(火) 南青山店:03-3470-6367
*アポイント制となります。ご予約は店舗までお問い合わせください。