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RetroSpecs ~ヴィンテージ眼鏡をめぐる旅~

来る11月20日(水)からトランクショーを開催するアイウェアブランド、RetroSpecs(レトロスペックス)。本稿では、ブランドが持つ歴史や技術についてご紹介していきたいと思います。

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レトロスペックスは1890年頃から1980年代に至るまでに製造されていた眼鏡に宿る、革新的で極めてモダンなデザインと優れた品質を守り後世に受け継いでいくため、現在もブランドの代表を務めるJay Owens氏(以下、Owens氏)が1992年に立ち上げたブランドです。

Owens氏は大学を卒業後、自身の趣味でもあったアメリカ製アンティーク眼鏡を探す旅に出て、様々なデザインの眼鏡を数多く発見しました。そのことがきっかけとなりアメリカの眼鏡製造の黄金時代を写したカタログや広告を教科書に20世紀初頭の眼鏡産業の研究を始め、同時にアンティーク眼鏡の修復、製品化をスタートさせていくのです。
そしてある時、コロラド州アスペンとベイルにあるハイエンド眼鏡店に、いくつかの自身が修理を手がけた眼鏡に、それぞれの歴史を詳しく記したインフォメーションカードを添えて持ち込んだのです。その眼鏡はクリスマスから年末にかけてのわずかな期間で売り切れてしまい、それこそがレトロスペックス社誕生の瞬間だったと言えるでしょう。

ここでレトロスペックスの持つ製造技術の一部をご紹介します。
Owens氏は先の旅の途中、「アメリカンオプティカル」や「ボシュロム」、「シューロンオプティカル」といった企業が第一次世界大戦からの復興を遂げていく中で、宝飾業界で開発された半永久的に使えるベースマテリアル、"1/10 12Kゴールドフィルド"のワイヤーを使ってフレームを量産していたことを知りました。
K12の場合、金の含有量は減りますが強度が増すほか、ゴールドフィルドは金メッキに比べても層が厚く約20倍の厚みがあるため、アクセサリーよりも負荷のかかりやすい眼鏡フレームにはうってつけでした。また、静電気により金を付着させていくメッキとは違い、高熱と圧力を加えて金を圧着させていくため、メッキのような剥がれはほぼ発生しないのです。
ゴールドフィルドは現在でも一般的には非常に難しい製法として知られていますが、レトロスペックス社ではフレームの修復・溶接時に金を熱圧着する技術を持っています。中でもワイヤーテンプルのカット・溶着の修理方法はレトロスペックス社が8年がかりであみだした、他社には真似のできない技術があるそうです。

以上のようなブランドが持つほんの一部のストーリーからも、ゴールドフィルドの眼鏡フレームがいかに貴重であるかがお分かりいただけると思います。
そして、この貴重なフレームをアメリカ中から発掘しているのは、アメリカ各地で活動する約10名程度のエージェントたち。彼らが古い年代の眼鏡を集め、それらをレトロスペックス社がパーツごとに選別しています。ちなみにその中で見つかるゴールドフィルドのアンティークフレームは全体の0.1%程度だそうです。

そうして選別された貴重なパーツは超音波洗浄にかけられたあと、クルミの殻のチップが入ったタンブラーで研磨されます。このタンブラーも1950年代当時のものを使用し、かつてと変わらない方法で磨かれていくのです。

レトロスペックス社のショールームにはアンティークのチェストが並び、テンプルパーツや智(ち)と呼ばれる3ピースフレームのサイドパーツなどを、各年代、デザイン、サイズごとに細かく分類し、収納しています。ゴールドフィルドの各パーツだけでストックは膨大な数にのぼるほか、ゴールドフィルド以外のフレームも年代やメーカー、デザインごとに多数ストックされ、向こう100年分は製造及びメンテナンスができるほどだそうです。
そうして、Owens氏率いるレトロスペックス社は今日に至るまで、毎年約3万を超える眼鏡を修復すると共に、新たなコレクションの生産も行っているのです。

当然ですが眼鏡は顔に掛けるアイテムとして、洋服以上にその人のスタイルや印象を決定付ける力があります。

例えばクラシックなスーツやジャケット&パンツスタイルに、ゴールドフィルドフレームの眼鏡を掛けて大人のエレガンスを追求してみたり、シンプルでラフなカジュアルスタイルにさりげなくアセテート系フレームの眼鏡をプラスして、知的な雰囲気を演出してみたり......。

そんな新たなスタイルと出会えるかもしれないブランド、レトロスペックス。今回、ストラスブルゴでは同ブランドのトランクショーを下記の日程で開催します。

11月20日(水)名古屋店
11月21日(木)大阪店
11月22日(金)銀座店
11月23日(土祝)二子玉川店
11月24日(日)南青山店
※当日はレトロスペックス社の副社長であるAdam氏を店頭に迎え、お客さまの個性に合った眼鏡選びのお手伝いをいたします。

当日は200本を越える貴重なフレームを店頭にご用意しております。ぜひ、奥の深いヴィンテージ眼鏡の世界に触れてみてはいかがでしょうか?(現物販売可能、オーダー品に関しては納期3か月頂戴いたしております。)

皆さまのご来店を心よりお待ち申し上げております。

オーダーアセテートフレーム(スタッフ私物 納期3か月)