テイラー 大島崇照と紐解く、山の上テーラリングの魅力

テイラー 大島崇照と紐解く
山の上テーラリングの魅力

ストラスブルゴ 大阪店の地下1階には、専属テイラーである大島崇照(おおしま たかあき)が工房を構えるストラスブルゴ ハウス テイラーズ ラボがあります。
そこで2013年に産声をあげたのが、テイラー 山上佳彦(やまかみ よしひこ)が手がける「山の上テーラリング」。
2018年6月に拠点を東京・南青山へ移して以降も、その大島譲りの丁寧な仕事ぶりと独自の感性で、少しずつですが確実にお客さまの心を捉え始めています。
今回はそんな「山の上テーラリング」の魅力を探るべく、山上・大島、そしてストラスブルゴ メンズのクリエイティブディレクターを務める岡田憲典(おかだ けんすけ)を交えた鼎談の様子をご紹介します。

 

まずは山上さんがテイラーとしてストラスブルゴに入られたきっかけを聞かせてください。

大学の卒業後に一旦別のアパレル企業に就職しました。
大学在学中から美術系やものづくり系の専門学校に行ってみたいという思いがあったのですが、これ以上親の世話になることもできなかったので、しばらく働いてお金を貯めてから服飾の専門学校に入学しました。
また、自分自身のO脚にコンプレックスがあり、それを克服する方法の一つとして服作りに興味を持ったのもちょうどその頃です。そこから紆余曲折を経てストラスブルゴにたどり着きました。

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山上 佳彦
1984年、神奈川県生まれ。早稲田大学、エスモードジャポン卒業後、ストラスブルゴを運営するリデアカンパニーへ入社。師である大島のすべてを受け継いだ若き職人。

ストラスブルゴに入って約4年半、大島さんのもとで修業されてきたわけですが、振り返ってみていかがですか。

まず大島さんが休まなさすぎてびっくりしました。( 笑 )
私が入社して最初の日曜日だけ休まれたのですが、そこからはしばらく休むことなく仕事をされていました。しかも仕事中はほとんど休憩を取らず、ずっと手を動かしているという......。

あれ、これって嫌味を言われているんですかね......。( 笑 )

いやいや、こういうエピソードって面白いですよね。( 笑 )
私も大島さんがいつも黙々と手を動かしていたのを覚えています。

それから当時テイラーズ ラボの一角にガラス張りの大島さんの作業スペースがあったのですが、大島さんは作業に集中しすぎるあまり私がその中に入っていっても全く気づかず、声をかけてびっくりされるということが幾度となくありました。( 笑 )

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岡田 憲典
1974年、兵庫県生まれ。ストラスブルゴ創業後まもなく入社。服に対する造詣が深く、多くのお客さまに愛されるセールススペシャリスト。

確かに大島さんをはじめ職人さんの集中力って目を見張るものがありますよね。私たち販売の仕事でも接客の際にお客さまとの間に生まれる"ゾーン"みたいなものがあって、どの仕事にもそういったものがあると思うのですが、そういう感覚ってすごく大事だなと思います。ちなみに大島さんにとって山上さんは初めてのお弟子さんなんですか?

いえ、山上さんの前にも何人かいたのですが、これほど長く続いたことはなく、すべて教え込めたのは彼だけです。未経験からスタートしたにも関わらず、手先が器用でこれなら大丈夫だなと最初に感じたのを覚えています。

大島さんからみてようやく縫えるようになってきたな(一人前になってきた)と思えたのはどのくらいですか。

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3~4年目くらいじゃないですかね。彼にはパンツからスタートしてもらいましたが、何か一つ上手く縫えるようになれば他のアイテムも必然的に縫えるようになると思っていましたので、そこからは徹底的にやってもらいました。特に最初はミシン一つかければ一回チェックを入れるといった具合で、一本のパンツを作るのに何百回とチェックしていました。

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大島 崇照
1973年、京都府生まれ。2009年からストラスブルゴ専属テイラーに。現在はストラスブルゴ 大阪店にあるテイラールームに常駐する。

大島さんは口うるさく言うタイプではないのですが、その仕事が「正しいか正しくないか」ははっきりと言われました。

山上さんは入社した時から手がきれい(器用)と大島さんからも聞いていましたし、故ティンダロ・デ・ルカ 氏が褒めていたのも覚えています。山上さんがテイラーの経験を持たず入社してここまで成長できたのは、私たちストラスブルゴが目指してきた職人育成における一つのロールモデルであり、成功した最初の一人です。育成に力を注いでくださった大島さんには本当に感謝しています。

大島さんから見た山上さんの作る服はどんな印象ですか。

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実は彼が独立してから築き上げたスタイルをこれまでしっかりと見る機会がなかったので、あまり分からないというのが正直なところですが、今こうして見るとずいぶん落ち着いた印象を感じさせる服だなと思います。

確かに大人っぽく見える服ですよね。大島さんの服はより端正な印象ですけど、山上さんの方はそこにちょっとだけ"らしさ"があるというか、ゴージの位置や胸ポケット、Vスタンスのバランスに大人びた印象を感じさせます。私はお二方とも職人さんっぽいなと感じるのですが、山上さんはそこに加えて芸術家のような側面も感じます。彼自身の感性が生み出す味のあるバランスが特徴的です。

画像 スーツ01
 
画像 スーツ02

芸術家と認識されている過去の偉人たちも、当時は芸術家とは呼ばれていなかったと聞いたことがあります。ミケランジェロやダ・ヴィンチも後に芸術家と呼ばれるようになりますが、当時はお客さまから依頼されたものを懸命に作っていた職人だったのではないかと思います。今、自分がやっていることもそれと同じイメージです。お客さまの依頼に対して満足いただける仕事をする。そしてそこに嘘がなければそれが一番良いことだと思っています。

大島さんに言われて嬉しかったことはありますか?

つい最近、ひょっとすると初めてかもしれないのですが、パンツを褒めていただいたときは嬉しかったです。

画像 山上03

去年、山上さんにパンツをお願いする機会が何度かあり、そのうちの一本が素晴らしく良い出来だったんです。PANTS OF THE YEARと言えるくらいのものでした。( 笑 )

それは山上さんにとっても会心の出来のパンツだったんですか?

いや、特にそういう訳ではないのですが......。( 笑 )
何度かやり直した箇所もありましたが、全体的にはとてもスムーズに進んだ一本だったので、それが結果として良かったのではないかと思います。

ちなみに辛かったことはありますか?

辛かったことですか......、ん~

休みが無かったのが辛かったとか。( 笑 )
私が一度山上さんの奥さんに怒られたことがありましたので。( 笑 )

( 笑 )
大変ではありましたけど、辛いと思ったことはなかったですね。

最後に山上さんに向けて一言お願いします。

私もそうですが、更に技術を向上させてお客さまに喜んでいただけるように努力を続けてほしいですね。成功と失敗を繰り返してテイラーとして成長してくれるのを楽しみにしています。

 

大島 崇照 ビスポークオーダー
価格:
スーツ ¥450,000~ ジャケット ¥360,000~ パンツ ¥115,000~
納期:
約6ヵ月 (仮縫い・中縫い込み)

山の上テーラリング ビスポークオーダー
価格:
スーツ ¥327,000~ ジャケット ¥240,000~ パンツ ¥102,000~
納期:
約6ヵ月~9ヵ月 (仮縫い・中縫い込み)

※全て税抜き価格となります。

 
大島 崇照 ビスポークオーダー
価格:
スーツ ¥450,000~
ジャケット ¥360,000~
パンツ ¥115,000~
納期:
約6ヵ月 (仮縫い・中縫い込み)

山の上テーラリング ビスポークオーダー
価格:
スーツ ¥327,000~
ジャケット ¥240,000~
パンツ ¥102,000~
納期:
約6ヵ月~9ヵ月 (仮縫い・中縫い込み)

 
※全て税抜き価格となります。