軽やかに、心地よく
洒脱に装うサマージャケット
メンズウェアのカジュアル化、ストリートの空気感を取り入れたスタイルにそろそろ食傷気味になったころ、トレンドは当たり前かのごとくドレスへと偏りはじめ、美しいテーラリングに対する再評価が行われます。そして今季、古今東西においてジェンツの装いに欠かせないアイテムであり続けるテーラードジャケットは、求められる新たな役割や地球規模の気候変動にも即応し、着心地も佇まいも軽やかかつ涼やかに進化。そんな時代性を思い切り堪能できる、軽妙洒脱な夏ジャケットでつくる3ルックをご紹介いたします。
Style 1
四者混素材の大柄チェックジャケット
最初にご紹介する鮮やかなグリーンのチェック柄ジャケットは、イタリア・ナポリの伝統的サルトリア テーラリングをベースにしながら、時代の空気感を巧みに取り入れた洗練されたスタイルを構築する<Sartorio>の新作。旧き良きヴィンテージファブリックを現代的にアップデートしたかのような、クラシカルモダンな佇まいが際立ちます。
ウールにコットン、シルク、リネンを混紡したサラッとした肌触りの生地を軽快な背抜きで仕立て、手縫いとミシン縫いを融合させることでウエストがほどよくシェイプした立体的なシルエットを見事に表現。トラウザーズにもジーンズにも、ショーツにも合う汎用性の高さで、今夏のヘビーローテーション間違いなしです。
インナーは、<CIRIELLO>のグリーンストライプ柄バンドカラーシャツに<Cruciani>のグレージュ色ニットポロシャツをレイヤード。アース系の繊細な淡いトーンでまとめることで、ジャケットの鮮やかな色柄がさらに引き立ち、また一体感が生まれます。ボトムには、<SO>のデニムトラウザーズをチョイス。コンパクトなすっきりとした腰回りや美しいテーパードシルエットと、ストレッチの効いたデニム生地による着心地の良さとを両立しています。濃度の高いインディゴブルーが醸す、上品なカジュアル感もポイントです。
- Jacket / SARTORIO ¥255,200
- Knit / CRUCIANI ¥49,500
- Shirt / CIRIELLO ¥38,500
- Pants / SO ¥33,000
- Belt / CISEI ¥36,300
- Shoes / EDWARD GREEN ¥231,000
Style 2
艶やかなダブルブレストの色気
クラシック回帰、テーラリングの進化を実感させる今季は、ダブルブレストジャケットの当たり年でもあります。かのキートングループが誇る卓越した技術をもつ工場で製作される確かなつくりにより、クラシックなナポリ仕立てにモダンなスタイルを完璧に融合させる<Sartorio>のネイビージャケットは、その象徴ともいえる1着です。
上品な光沢を放つファブリックは、コットンにヴィスコースをミックスした優しい風合い。ボリューム感のある堂々としたピークドラペルとかすかにフェミニンな金縁ボタンが、ベーシックなブレザーとは一味違うエレガンスとクラス感を演出してくれます。またほどよいハリ感のあるハーフキャンバス(胸増し用芯地入り)仕立てとサイドベンツにより、軽やかな着心地とフォーマル感を一挙両得。あらゆるシーン、さまざまなコーディネートにフィットする、高い着回し力も魅力です。
<Cruciani>のリネンコットン製ハイゲージニットポロシャツ、<Rota>のコットンウール製ショートトラウザーズと全身をネイビーでシックにまとめ、ピンポイントのアクセントに鮮烈なアップルグリーンのスカーフを添えて。ブラックウォッチ柄のサスペンダーを駆使することでネイビー&グリーン系のまとまったカラーパレットに仕上げつつ、軽快なショーツルックをクラシカルかつエレガントなスタイルへと昇華させています。
Style 3
絶品ブラウンリネンスーツ
クラシックとモダンが融け合うフレッシュなナポリ仕立てが冴える<Sartorio>は、テーラードジャケットの進化と再評価が顕著な今季における大本命。ジャケットはもちろん、スーツもおすすめです。
湿度すら感じる艷やかな光沢をまとい、触れればドライな爽やかさと通気性の良さが実感できる最高級のリネンファブリックを使用。背抜きで軽快に仕上げた段返り3ツボタンのシャープな印象のジャケットに、すっきり流麗なシルエットの組下パンツというコンビネーションがスマートです。ここでももちろん、ハンドとミシンを巧みに使い分けた縫製だからこその、立体感が際立ちます。
気品漂うナチュラルなブラウン、いかにも夏らしい素材感が味わえるリネンスーツには、<CIRIELLO>のリネンシャツが好相性。定石ならサファリやコロニアルを意識させるホワイトシャツを合わせるところですが、あえてブラックをチョイスしてグッと引き締まった表情を演出しつつ、スカーフのような優雅さをまとったセッテピエゲ(7つ折り)のウールタイでダークグリーン、サスペンダーでネイビーという控えめな色味を配して、さりげなくも奥行きのあるスタリングに仕上げています。