ストラスブルゴの各店舗で定期開催している、エドワード グリーン(以下EG)のオーダーイベント。4月中旬に開催された2018年春夏シーズンのオーダーイベントに合わせて、英国EG社のCEO、Hiraly Freeman(ヒラリー・フリーマン)氏とハンドソーン職人のAndrew Peech(アンドリュー・ピーチ)氏の2人が来日しました。
タイトルは、ヒラリー氏が日頃媒体の取材等で良く口にしているフレーズです。英国ではもはや「伝統産業」となった靴産業に対して、ヒラリー氏が取り組む「Evolution」の一端を感じたいと思い、エドワード グリーン銀座店で話を伺いました。
INTERVIEW
ーー日本の現在のファッションシーン(シューズシーン)について感じること、率直な印象をお聞かせください。
ヒラリー「日本に限らず、EGのマーケットはインターナショナルで、年齢層も使われ方も、世界各地に様々に広がっています。例えば、都市でビジネスシューズとして履く方もいますし、一方では週末のアウトドアで履く方もいます。しかし、最近はこの境界線が重なって来ている印象を持っています。例えば、カジュアルでない靴にも「コンフォート」(快適)である事が重要になっていて、このことを最近の傾向として非常に強く感じています。」
ーーご自身が最近注目していること、人、モノ、どのようなことでも結構です。何か特筆することがあれば教えてください。
ヒラリー「私たちはマーケットの動向を、EGを伝えてくれるメディア、ジャーナリスト、その他影響力のある方々のコメント等からSNSを通して得ることに注目しています。」
ーー海外を回るオーダーイベントに、(あなたの様な)会社のマネジメントの方も同行する、というのは珍しいケースだと思いますが、あなたがこれを続けているのはどのような理由からでしょうか?
ヒラリー「お客様と実際に会うことを大切にしているからです。EGを扱う小売店のお客様と、個人のお客様の両方です。お客様が誰で、何を求めているかを知る為です。」
ーー日本でのオーダーイベントの後も他国のお客様と会う予定なのでしょうか?
ヒラリー「日本の後は韓国に行きます。その後アメリカに行きます。アメリカでは西海岸に入ってその後、複数の都市を回る予定で、販売店以外にレザーのタンナーを訪問する予定があります。アメリカの西海岸は、アジアから行った方が行きやすいし、東海岸から英国まではそう遠くないので、これがいつものルートです(笑)先日は、オーストラリアの取引先と初めて会って、とても印象的でした。」
ーー※Claphamのネイビーカラー(オンラインストア限定モデル)について、お勧めのポイントを教えていただけますでしょうか?
ヒラリー「Claphamは以前からあるモデル、Ashbyを基にupdateさせたモデルです。「update」という言葉はとても好きです(笑)。私にとって「Evolution」と同じくらいに重要な言葉です。Ashbyよりもストラップ部分を細くして、よりモダンに仕上げています。そしてこの明るいネイビーカラーはカーキと同様に、最近のEGのカラーの中でも新しいお客様にとても好評な色です。日本人はモンクストラップシューズとスーツを合わせることが好きですが、このカラーはスーツだけでなく、週末のスタイルにも合わせやすいと思います。モンクストラップシューズの中でベストと言える型です。」
※品番:CLAPHAM/82E 上代:¥187,000 (商品ページはこちら)
工場にも3名しかいないハンドソーンの職人の1人として、今回のオーダーイベントに来日したAndrew Peech(アンドリュー・ピーチ)さん。オーダーイベントの際のパフォーマンスとしてハンドソーンを見せてくれているのかと思いきや、こうして出張中も縫わないと製品の納期が間に合わないからだそうで、実際の製品に使うパーツを日本に持って来て、縫っているとのこと。
アンドリューさんからは次の様なコメントをいただきました。
ーー来日は初めてですか?
アンドリュー「初めて来日したのは10年前です。以降は、不定期ですが日本でのオーダーイベントの為に来ています。」
ーーEGでの勤務歴と、主な担当業務を教えてください。
アンドリュー「以前に勤めていたノーザンプトンの靴工場が閉鎖となり、EG社に入社してから22年間働いていて、会社では5番目に長い社歴です。
現在はハンドソーンを担当していますが、始めはスキビング(縫う前の皮を削って整える工程)の部署からスタートしました。ハンドソーン以外にも、工場の機械の調整やメンテナンスも担当しています。」
ーー日本のお客様へのメッセージをお願いします。
アンドリュー「私はノーザンプトン出身で、子供も最近EG社に入社して仕事を始めました。私以外にも家族や親族がEG社で仕事をしている社員が何人もいます。この様な企業は、ノーザンプトンだけでなく、英国内でもほとんど見かけなくなりましたが、大変貴重な環境だと思います。」