2009年のブランドスタート以来、日本のものづくりを大切にしながら、大人のためのカジュアルウェアを提案してきたRIVORA(リヴォラ)。その中でも、毎年アーティストにフォーカスし、Tシャツというメディアを通じてアートとファッションの融合を図る「RIVORA ART PROJECT」は、ブランドを象徴する取り組みです。12回目を迎える今シーズンは、現代美術家・野村浩氏とのコラボレーション第2弾。新作「KUDAN」から3作品(うち1点はストラスブルゴ別注)、「Merandi」から2作品をセレクト。プリントと刺繍を融合させた独自の手法で、アートの奥行きを一枚のTシャツに落とし込みました。
作品の世界観や制作背景に触れられるスペシャルムービーを公開中

"KUDAN" ― 現代の匿名社会に立つ不安な存在
江戸時代に記録された妖怪「件(くだん)」に着想を得ながらも、野村氏が描く"KUDAN"は、牛の頭と人の身体を持ち、現代の不安を象徴する存在として表現されています。匿名の「某(なにがし)」という青い鳥が周囲を飛び交い、SNS時代の情報の渦を暗示するような世界観が広がります。
KUDANは都市の風景を彷徨い、ときにその輪郭を失いながらも「目」だけが残り続けます。この「目」が鑑賞者の意識を刺激し、社会の中にKUDANの存在を見出させる――そんな参加型の視覚体験へと誘います。立ち姿、視線、背景、そこに添えられた鳥や書物といったモチーフが複雑に絡み合い、KUDANという存在に独自の奥行きを与えています。

POP-UP & EXCLUSIVE
今回のコラボレーションでは、ストラスブルゴ銀座店・名古屋店でのポップアップイベントも開催。イベントでは、本シリーズに合わせて制作されたストラスブルゴ別注モデルをご紹介します。
ブラックボディにシルクスクリーンプリントを施し、プリントと刺繍の立体感がより際立つデザイン。会場では野村浩氏の原画展示に加え、別注Tシャツをご購入いただいた方に向けた限定ノベルティのご用意もございます。
RIVORA ポップアップ ショップ
銀座店:6月18日(水)~7月2日(水)
名古屋店:7月9日(水)~7月23日(水)
イベントの詳細はこちら

"Merandi" ― 静物画に潜むもうひとつの視線
「Merandi」シリーズは、イタリアの画家ジョルジョ・モランディの作風にインスピレーションを受けた静物画に、「目」という異物を加えた作品群です。柔らかな筆致で描かれた器物の中に、不意に現れる「目」。その視線は静謐な画面に違和感をもたらし、観る者の感覚を揺さぶります。「見ている/見られている」という構造が強調されることで、鑑賞者と作品との間に視線の往復が生まれ、絵画と現実の境界があいまいになっていきます。モチーフの静けさと異物感のコントラストが、どこか哲学的な余韻を残すシリーズです。

日常に、問いかけるアートを。
"着るアート"としてのRIVORA ART T-Shirtsは、単なるファッションアイテムではありません。日常に潜む違和感や、視線の交差、現代を生きる私たちの姿を、さりげなく問いかけてくれる存在です。今シーズンの「KUDAN」「Merandi」シリーズは、それぞれ異なる文脈を持ちながらも、「見ること/見られること」への鋭い視点を共有しています。
Tシャツという日常的なフォーマットにアートをのせることで、自分自身や社会をもう一度見つめ直すきっかけになるかもしれません。あなた自身の感性でその意味を受け取り、スタイリングの一部として取り入れてみてください。
【RIVORA】
2009年よりスタートした、ニットとカットソーを得意とする国内ブランド。ART T-SHIRTSシリーズでは、Tシャツをキャンバスに見立て、毎回異なるアーティストの作品を紹介している。
【野村浩】
1995年、東京藝術大学大学院美術研究科油画専攻修了。在学中にキヤノン写真新世紀公募優秀賞を受賞し注目を集める。写真と絵画を中心に、複数のメディアを横断して作品を発表している。
【PROJECT PARTNER】
POETIC SCAPE
RIVORA ART T-SHIRTS with Hiroshi Nomura