ELEMENTS OF STYLE No.29<br>「アートディレクター 藤村雅史 × Cisei」

ELEMENTS OF STYLE No.29
「アートディレクター 藤村雅史 × Cisei」

肩の力を抜いて
自分らしく着こなす。

新しいスタイルを求めてストラスブルゴのアイテムから厳選し、ゲストのセルフコーディネイトをご紹介する人気コンテンツ。今回は、アートディレクターとして数々のファッション誌を手掛けてきた藤村雅史さんが登場。日本人デザイナーの大平智生氏によってフィレンツェでスタートしたバッグブランド<Cisei>のバッグに似合うコーディネイトを披露していただきました。


都内でも肌寒い師走の風が吹く某日、ベージュのコートを身に纏って取材現場に現れた藤村さん。今回の取材場所は、自身が長きに渡り慣れ親しんだ街、神保町。勝手知ったるホームグラウンドともいうべき場所で彼のファッション感について話を伺った。
「自分らしいスタイル、自分らしい服というのが僕のなかでは重要なポイントですね。仕事柄ラフな格好が多くて、いわゆるスーツ的なものを着る機会はほとんどありません。だから、意識しているのは、決めすぎないということと、その中にも少し可愛げのあるものやトレンドを取り入れるということですね」
今回、藤村さんが選んだのは、<Cisei>のトートバッグ。深みのあるベージュのレザーで見た目にも分かるほどソフトな質感が魅力的だ。
「普段は、バックパックタイプを持つことが多いですね。でもレザートートも好きでいくつか愛用しています。久しぶりにトートバッグを持ってみましたが、やっぱりいいですよね。サイズ感もいいし、PCを持ち歩くことが多いからこれくらいのサイズだと助かりますね」

コーディネイト

この日訪れた小宮山書店は、アート、写真、ファッションといったジャンルの品から文学や思想哲学関係などを幅広く扱う老舗の大型古書店。デザイン関連の品やレアなプリントなどが揃う名店としても知られ、国内外に多くのファンを持つ。いうまでもなく藤村さんも何十年と通う常連だ。その店内で懐かしそうに古い雑誌や洋書を手に取る藤村さん。
「古本の街ですから、やっぱり自分に馴染みがありますね。ここはファッション系がたくさんあるし、建築も好きなので建築関係の強い専門店もよくのぞきます。デジタルにはない紙の良さが再発見できるんですよね」
と洋書を眺める藤村さんは言う。そして、<Cisei>のトートバッグに合わせたベージュのコートがなんとも格好いい。
「ベージュのバッグに合わせて、<マルニ>のコートを着てみました。パンツは<H BEAUTY&YOUTH>で、カーディガンが<マルジェラ>、Tシャツは<アニエスべー>です。僕は、厚手のTシャツが好きなのですが意外とないんですよね。メガネは、<ジャック・マリー・マージュ>で、スニーカーは<トッズ>を合わせました」

コーディネイト 細部

「僕は、地元が横浜なんですけど、東京に住むまでは時代的にもヤンキーだったんです(笑)。デザイン学校に通うようになり東京のファッションを肌で感じて、自然とファッションにも興味を持つようになったんですね。社会人になってからは、仕事でも雑誌の誌面を通しても毎日ファッション情報が入ってくるのが当たり前の生活なので、割とアクティブに服は試してきたと思います。それでも最近は、肩の力が抜けたというか、いろいろなテイストを受け入れるようになってきたと感じています」
シルバーグレイのヘアスタイルに、ベージュのコート&トートバッグという藤村さんの着こなしは、上品でお洒落な男性の佇まいの参考となりそうだ。

Ciseiとは?

2006年にフィレンツェで日本人デザイナーの大平智生によりスタート。イタリアで学んだ伝統の技術を守りながら、良質な素材のみが持つ質感をダイレクトに伝え、さらにシンプルで機能性に富んだ鞄作りをモットーにしている。

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アートディレクター

藤村雅史

MASASHI FUJIMURA

1962年神奈川県生まれ。1996年より藤村雅史デザイン事務所代表を務める。現在は『UOMO』(集英社)をはじめ、同社の男性・女性ファッション誌4誌のアートディレクションを手がける。