ELEMENTS OF STYLE No.30<br>「アートディレクター 藤村雅史 × EDWARD GREEN」

ELEMENTS OF STYLE No.30
「アートディレクター 藤村雅史 × EDWARD GREEN」

トレンドと可愛げのある
アイテムを取り入れる。

新しいスタイルを求めてストラスブルゴのアイテムから厳選し、ゲストのセルフコーディネイトをご紹介する人気コンテンツ。今回は、前回に続き、アートディレクターとして数々のファッション誌を手掛けてきた藤村雅史さんが登場。クラシックな<エドワード グリーン>のローファーをベースに藤村さん流のコーディネイトを披露していただきました。


前回の小宮山書店に続き、藤村さんが訪れたのは、2022年に神保町にオープンした「ファロス コーヒー」。こちらでは、台湾初の焙煎ブランドでシングルオリジンコーヒーとコーヒー豆の販売を行う。藤村さんは大のコーヒー好きで、この界隈でも行きつけのお店があるそうだ。店内でコーヒーを味わいながらくつろぐ藤村さんの足元には、<エドワード グリーン>のローファーが光る。
「革靴のなかでは、ローファーをよく履きますね。紐靴ほどかしこまらなくて、スニーカーよりもきちんとしているので丁度いい存在です。合わせ方で好きなのは、デニムにローファーかな。スニーカーだとちょっとカジュアルになりすぎるので、デニムとローファーの組み合わせは定番です。今日はあえて<パタゴニア>のスウェットパンツを合わせてみました。ローファーがクラシックだからこれぐらいギャップがあっても面白いかなと思いまして。もしかしたら、ストラスブルゴの着こなしイメージとはちょっと外れているかもしれませんね(笑)」
と話す藤村さんの着こなしは、ビッグシルエットのコートにラフなスウェット&ローファーという絶妙なハズしが効いている。嫌味のないそのスタイルがとても魅力的に映える。

コーディネイト

「コートとマフラーは、<マルニ>です。メガネは<モスコット>でこういう黒セルをよくかけていますね。腕時計は<ロレックス>。私のまわりには、編集部のスタッフを含めて大きめのシルエットの服を着ている人が多いので、無意識にそういうスタイルになりがちなんです。ファッション誌で仕事をしていると常にいろいろな情報が入ってきます。昭和とか昔っぽいものが若い人たちには新鮮に見えて、それがリバイバルしたり、Y2Kって言葉ができたり、本当に面白いなと感じますよね」 と、長年に渡りファッション誌に関わってきた藤村さんらしいコメントが印象深い。
そして話題は、ファッションからコーヒーの話に。来年には自身が手掛けるスペシャリティコーヒーのお店を計画中なんだとか。 「ずっと前からコーヒーが好きで、始めはカフェと事務所が併設した場所を持ちたいと思っていたんですよ。でも、いろいろ突き詰めていくと二拠点生活にたどり着いたんです。やっと理想に近い物件を長野県原村で見つけて絶賛工事中です」 と話す藤村さんのお店は、「SUNNY COFFEE & ROASTERS」という店名でこの春、3月末にはオープン予定だそう。

コーディネイト 細部

「僕らの仕事は、いろいろなスタッフが関わることで成立しひとつのもの(雑誌や書籍)ができる。だけど、それを買う人や読む人の反応を直に見る機会はほとんどありません。そう考えると自分でコーヒーを淹れてお客さんの反応を見るというのは、僕にとってはすごく楽しみなんです。ファッションも同じように、お店でスタッフと会話しながら買うというのは、大事なのかなと感じます」
自分らしさを大切にしながら、そのシーズンのトレンドや時代性を取り入れる藤村さん。世の中のファッションは、常に変化を続けながら巡り巡る。その楽しみ方は、単に服を着るという行為だけに留まらず、ライフスタイルにも自分らしい影響を与える。週末に自分のコーヒーショップで、ハンドドリップする藤村さんの姿はきっとローファーにデニム姿に違いない。

エドワード グリーンとは?

1890年にエドワード・グリーン氏がノーザンプトンの小さな工場で紳士用の手作り靴の製造をスタート。瞬く間に「英国でも稀代の才気煥発な靴職人」として名声を上げることになり、最も品質の高いグッドイヤー・ウェルトシューズカンパニーとして、アーネスト・ヘミングウェイからウィンザー卿など名だたる人物を顧客に持つまでに。以後、ジョン・フルスティック氏によって受け継がれ、グッドイヤーウェルト製法の靴の最高峰として歴史に名を刻んでいる。

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アートディレクター

藤村雅史

MASASHI FUJIMURA

1962年神奈川県生まれ。1996年より藤村雅史デザイン事務所代表を務める。現在は『UOMO』(集英社)をはじめ、同社の男性・女性ファッション誌4誌のアートディレクションを手がける。

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