新聞記者 小峰健二
毎回、ゲストの方がストラスブルゴのセレクトアイテムからお気に入りを選定し、セルフスタイリング。その着こなしについて語っていただくのがこのコンテンツ。8回目は、前回に引き続き、新聞記者デスク担当の小峰健二さんのコーディネイトをご紹介します。〈サルトリオ〉のジャケットを個性的に着こなしていただきました。
イタリアンクラシコの最高峰で作る
上質アメカジスタイル
ショップにディスプレイされていた〈サルトリオ〉のアイテムのなかでも、このネイビーのジャケットは、〈サルトリオ〉を初めて着る自分にも一番ピンと来るアイテムでした。普段からネイビージャケットを着る機会が多いので、スタイリングのイメージがしやすかったのかもしれません。ということで、ダンガリーシャツにレジメンタイといったアメカジコーディネイトにしました。ジャケットには、かすかにストライプ柄が織られているので、普通のネイビージャケットとは違った表情が楽しめますね。現在は、デスク担当なのでほぼ社内で仕事をしていますが、記者時代は、1日中外出しているのが当たり前で、当時は、スマホが今ほど普及していませんでしたので、大きな一眼レフカメラやPC、レコーダーなど日常的に荷物が多いことが普通だったんです。それらを持って現場に移動して取材と撮影を行うので、必然的に今日穿いている古着の軍パンや大きなリュックなどポケット(収納)の多いアイテムを選ぶようになりましたね。いわゆるテック系の"機能性"というものよりも、クラシックで味が出ているものが好みです。クタッとした風合いのパンツと上質な〈サルトリオ〉のジャケットを合わせるスタイリングは、僕にとって自然な感じがします。
僕は、自宅で洗濯と手入れができるアイテムしか購入しないと決めています。先ほどの話と繋がりますが、何でも家でガシガシ洗って自分なりの味を出すのが好きなんです。冬のセーターの毛玉もそれほど気にならないですし、このシューズ(J.M.ウェストン/ゴルフ)も多少傷がついているのですが、それも個性かなと思っています。例えば、昔の日本映画にしても俳優の役作りと同じぐらい衣装もこだわっているんですよね。役柄に合わせて時間をかけてボロボロに作り込んでいるし、刑事のスーツもいかにも真新しいものでなく、犯人逮捕に走り回っていると言わんばかりの味のあるスーツを着ています。まさに服を育てているんです。もちろん、当時は時間も予算も余裕があったのかもしれませんが、やっぱりそういう服に対するこだわりは素敵だなと思います。それから、ミュージシャンの衣装も気になります。昔のミュージシャンは、本人の私服でライブのステージに出たりメディアのインタビューに答えていましたよね。だからカッコいい。ファンは本人のファッションセンスが見られるし、今みたいにスタイリストによって作り込まれてないのがカッコいいんですよ。
自分で選んだ服が自分自身に馴染んで、自分のスタイルとして確立されたらいいですよね。そんな僕が〈サルトリオ〉のジャケットを着続けるとしたら遠慮なく洗濯して着倒すかもしれませんね(笑)
SARTORIOとは?
クラシックでありながら時代に合わせたモダンなスタイルを提唱するブランドSARTORIO(サルトリオ)。軽快なナポリ仕立てを軸に新鮮なスーツスタイルを打ち出している。ナポリで最大級の工場を持つKITON(キートン)グループの傘下であり、その中核を担うサルトリオは、卓越した技術力で表現されるスマートなシルエットやヴィンテージを現代的に解釈したファブリックも大きな魅力と言える。
小峰健二
1981年生まれ。朝日新聞横浜総局・次長。2007年に入社し、記者として北海道、富山、愛知、東京を渡り歩き、16年より文化部で映画や放送を担当。2022年春より、記者の原稿を監修・編集するデスクとして横浜総局に勤務。
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