VOL.1 Uplifting Tailored Suit

心躍る春の訪れとともに
軽やかで流麗なテーラリングを愉しむ

重厚なコートやダウンジャケットなどのアウターから解放され、軽快でカジュアルなスタイリングが愉しめる春夏シーズンがついに到来。ストラスブルゴ各店にも、続々と最新コレクションがデリバリーされてきています。"解放"とはいいながら、ジャケットやスーツ、トラウザーズなど、メンズウェアの伝統と熟練の技術に裏打ちされたテーラリングを堪能し、抑制の効いたシックなスタイルを満喫したい今シーズン。ありきたりなタイドアップやノータイとは一味違う、今季らしいエッセンスを取り入れたテーラードスタイルを手に入れたいなら、洒脱なヒネリを加えたスーツ&セットアップスタイルが正解です。

スタイル 1
スタイル 1

Style 1

優等生的リネンスーツは
素材と色使いで遊び心たっぷりに

最初にご紹介するのは、サラッとした清涼感たっぷりなリネン生地で仕立てられた、<サルトリオ>のネイビースーツです。言わずと知れたこの<サルトリオ>は、<キートン>グループに属するイタリア・ナポリ最大級の工場で仕立てられているブランド。ヴィンテージファブリックを大胆に取り入れ、巧みな現代的アレンジを施すことでモダンかつラグジュアリーなコレクションを生み出しています。身体を包み込むようなほどよいゆとりのある丸みを帯びたシルエットは、クラシック&モダンを絶妙なバランスで融合した<サルトリオ>ならではのもの。ナポリ仕立てらしさ、<キートン>らしさを存分に感じさせる軽快かつ流麗な仕立てに、多くの着道楽が魅了されています。
上質なリネンの風合いそのままに気品漂う面構えに仕立てたこのスーツは、ウエストをほどよくシェイプ。縫製においてもハンドとマシンを適材適所でバランスよく使い分けることで、構築的かつしなやかな有機的フォルムを描き出しています。ジャケットはスポーティなサイドベンツ、スマートなテーパードシルエットのトラウザーとのコンビネーションは格別です。こんな"偏差値"の高いスーツはヒネらず王道の着こなしが常道ではありますが、この春の気分を表現するならヴィンテージ感のある<サルトリオ>のデニムシャツに<セブンフォールド>のフラワージャカードシルクタイ、<ストラスブルゴ>のコットンセーターを肩掛けするという、遊び心も抜け感もたっぷりなタイドアップスタイルがおすすめです。
ハイゲージのコットンセーターはピンクとイエローを二重にすることで、袖口にカラーブロッキングをあしらったセーターのように見せています。カラーの分量を思いのままに調節可能できるから、気分に合わせて、スタイリングに合わせて最適なアクセントが手に入るテクニックとして見逃せません。

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Style 2

注目のリネンセットアップは
アーストーンのレイヤードで魅せる

<ストラスブルゴ>オリジナルにも、今季の最注目素材であるリネンを駆使したおすすめのジャケット&トラウザーズがあります。ドライなタッチと上品な光沢感が味わえるリネンを使用したこのジャケットは、ポリウレタンをミックスすることでストレスのないストレッチ性とシワになりにくいクリーンさ、イージーケア性まで手に入れた傑作。あえてゴージラインを低めに設定したノッチドラペルが、レトロなムードと落ち着いたムードを醸し出し、大人っぽい余裕たっぷりな風格を演出しています。
ウエストはトレンドを意識して、メリハリのあるほどよくシェイプされたシルエット。すっきりとしたスマートなラインに仕上げつつ、サイドベンツで動きやすさと美しいシルエットを両立させている点にも注目です。
ブランドは違えど共地のパンツは、<エスオー>のもの。腰回りやワタリに若干のゆとりをもたせながら、裾に向かってぎゅっと絞り込んだテーパードシルエットが美しい1本で、日本を代表するパンツ職人、尾作隼人氏ならではの完成された仕様とデザインが光ります。<ストラスブルゴ>のジャケットとのセットアップによる完璧なマッチングは、"今季らしさ"を見事に体現。素材からして涼やかで、盛夏まで愉しめる着心地の良さからマストバイ候補の最右翼といえます。
インナーは、<イルボルゴ>のジオメトリック柄ハーフジップニットポロと、<クルチアーニ>の27Gコットン製クルーネックレイヤードニットを重ね着で。オープンカラーシャツのような感覚で着こなせるニットポロは、衿のニュアンスも自由自在で汎用性の高いアイテム。ベージュとグリーンというアーストーンのコンビネーションによって、上品な彩りと春夏らしさを一挙両得しています。ニットポロのジオメトリック柄が、控えめながら実に効果的なスパイスとなっているのがお分かりいただけると思います。

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Style 3

色柄、小物使いで盛り上げる
オフホワイトのストライプスーツ

今シーズン多くのブランドが展開しているトレンドアイテムのひとつが、シャツ感覚で着用できるジャケットやブルゾンです。基本的にはアウターとして着ることを想定したものではありますが、インナーとしても大変有用であることをお伝えしたい。最後に取り上げるのは、そんなコーディネートです。
オフホワイトにベージュの織り柄ストライプをあしらったダンディなスーツは、<サルトリオ>によるもの。厳選されたウールにレーヨンとポリウレタンをブレンドした、しなやかでふんわり軽やかなストレッチ生地で仕立てられた1着です。最初にご紹介したスーツと同様に、ほどよくウエストがシェイプされ立体的なシルエットを実現した「IZG」モデル。夏の高級リゾートにもフォーマルなパーティーにもピッタリな存在感たっぷりなこのスーツのインナーに、意外性十分な<タリアトーレ>のリネンコットンブルゾンを合わせるというのが、実にスタイリッシュ。今季を象徴するスタイリングとして、街中でも一際異彩を放つこと間違いなしです。
このシャツブルゾンはジャカード織のフラワーモチーフを全体にあしらい、男らしく、カジュアルながらもエレガントなムードを演出してくれる逸品。オープンカラーの比翼仕立てに、裾の持ち出しが効果的なアクセントとなっています。このブルゾンでグッと引き締まった印象に仕上げつつ、<クルチアーニ>の27Gコットンクルーネックニットやソックスにピンクを配することで、さらに軽快でワクワクするような着こなしに。<スパッカネオポリス>のアーティスティックなシルクスカーフを巻けば、一気に華やいだ最旬スーツスタイルが完成します。

Photographs by Mai Kise
Hair by hirokazu endo (ota office)
Styling by Taichi Sumura
Model by Etienne (EXILES)
Edit & Text by america

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