江口洋品店・江口時計店 店主 江口大介
ELEMENTS OF STYLE CRUCIANI
Style No.11
江口洋品店・江口時計店 店主 江口大介

東京・吉祥寺で洋服とヴィンテージウォッチを取り扱うインディペンデントなショップ「江口洋品店・江口時計店」を経営する江口大介さん。腕時計の知識はもちろん、メガネやインテリアなどに精通する博識な一面を持つ人物だ。毎回ゲストの方がストラスブルゴのセレクトアイテムからお気に入りをピックアップし、セルフスタイリングを披露するこのコンテンツ。今回は、そんな江口さんのこだわりスタイルをお届けします。


いつの時代も作り手の顔が見える物が好き

僕は、オーセンティックなスタイルや古着が好きで、若い頃からひと通り体験しています。でも、ファッションの世界はまだまだ奥深くて、日々勉強中です。そんな僕の最近のスタイルは、身につける貴金属にこだわった着こなしです。時計と眼鏡に加えて、リングなどのジュエリーのコーディネイトに気を使っていますね。身につける貴金属を選ぶ時に、"ゴールドか?シルバーか?"みたいな感じで色味を合わせるようにするのが基本です。意識し始めたのは5年ほど前から。きっかけは、眼鏡をかけるようになったことが大きな理由です。眼鏡も含めて上手にコーディネイトしたくて、こだわりを強く持つようになりました。

コーディネイト
コーディネイト

今回は、あえてシューズをメインにしたコーディネイトにしてみました。ちなみに普段は、ドレス感の強い革靴か、カジュアルな<ニューバランス>、そしてどちらにも当てはまらない<エンダースキーマ>というふうに、ざっくり3パータンのシューズを着こなしに合わせて使い分けしています。この企画で1つ目に選んだのは、<エドワード グリーン>の「DOVER」です。この靴は、少しフォーマルなイメージでスタイリングしてみました。僕の勝手なイメージかもしれませんが、ストラスブルゴの顧客の方は、どちらかというと細めのボトムを合わせている感じがしますが、僕は、あえて太めのパンツを合わせています。ここ最近のお気に入りは<セラードアー>のパンツです。<フミヤヒラノ>のジャケットのインナーは、タートルニットがマスト。実は、故スティーブ・ジョブズを尊敬しているので、どこかオマージュ的な着こなしをつい意識してしまいます(笑)。そういう意味もあって、愛用のスニーカーは<ニューバランス>で、眼鏡もジョブズと同じブランド<ルノア>のヴィンテージなんですよ。他の小物は、ヴィンテージの<エルメス>スカーフ、<カルティエ>の腕時計とリング(右手人差し指)、<ティファニー>(左手人差し指)のリングを合わせています。スタイルに合わせたゴールドベースのセレクトです。

コーディネイト 細部

僕のスタイルの基準は、「将来的にも長く付き合えるアイテム」かどうか、というのがベースにあります。だから、作り手の顔や意識が見えるものを選ぶ傾向にありますし、それらの物をリピートして購入することが多いんです。仕事でもヴィンテージの時計や服などをたくさん見て発掘しますが、やはり当時の時代背景や職人を想像することが楽しいんです。そういう意味では、<エドワード グリーン>の「DOVER」は、まさに末長く愛用できる逸品だと思います。

EDWARD GREENとは?

1890年にエドワード・グリーン氏がノーザンプトンの小さな工場で紳士用の手作り靴の製造をスタート。瞬く間に「英国でも稀代の才気煥発な靴職人」として名声を上げることになり、最も品質の高いグッドイヤー・ウェルトシューズカンパニーとして、アーネスト・ヘミングウェイからウィンザー卿など名だたる人物を顧客に持つまでに。以後、ジョン・フルスティック氏によって受け継がれ、グッドイヤーウェルト製法の靴の最高峰として歴史に名を刻んでいる。

江口洋品店・江口時計店 店主 江口大介
江口洋品店・江口時計店 店主

江口大介

DAISUKE EGUCHI

1980年生まれ。東京都出身。ヴィンテージの洋服と時計を扱う東京・吉祥寺の名店「江口洋品店・江口時計店」の店主。時計だけでなく、眼鏡、インテリア、クルマなどにも精通する。

ARCHIVE

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[07] 新聞記者 小峰健二 × SARTORIO

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[04] イラストレーター 綿谷寛 × CRUCIANI