スタイリスト 久保コウヘイ
ファッションスタイリストとして幅広いフィールドで活躍する久保コウヘイさん。毎回このコンテンツでは、ゲストの方がストラスブルゴのセレクトアイテムを吟味し、セルフスタイリング。前回に引き続き、久保さん流の着こなし術を紐解きます。
スタイリングにはT.P.O.とコンセプトが必要。
「今着ているジャケットは、暖かい季節にも涼しげなリネン100%素材なんです。嫌味なく合わせやすいベーシックなデザインなので、普段使いにもちょうどいいですね。サイドだけパッチポケットというカジュアルさも絶妙です。共地のパンツも展開しているそうなので、セットアップでコーディネートするとより上品に仕上がると思います。普段から仕事現場にもジャケットを着て行くことが多いので、これからの季節は重宝しそうです。10万円前後という価格もインポートブランドに比べてリーズナブルなのでかなり買いやすいと思いますよ。
僕は、自分でスタイリングを組む時や企業にレクチャーさせていただく時に、必ず箇条書きで整理するようにしています。そうすることで今、自分が考えていることやこれまでに経験したことの反復ができるんです。スタイリストとして独立してから、雑誌でお仕事をさせていただくようになり、かなり鍛えられたことが今になって活きていると思います。若い時は、編集者に『なんでこのスタイリングなの?』と聞かれて、『トレンドなんで』と答えて怒られた経験もいい思い出です(笑)。雑誌の場合は、見出しを付けなきゃいけないし、それぞれのコーディネートに違いがないと企画にならないんですよね。僕は、理論でスタイリングするタイプじゃないけれど、結果的に企画性を持ってコーディネートを組んでいると、雑誌だけではなく、パーソナルスタイリングや、販売向けのレクチャーなどでうまく立ち回ることができるようになるんです。今回は、自分がリースに回る時に着る服をイメージしているので、難しく考えずにストレートに表現しています」
こちらのベージュのリネンジャケットのインナーには、ニードルスのボーダーカットソーを合わせました。腕時計は、ラルフローレン。馬蹄型の珍しい形が気に入っています。足元は、ダナーライト×ホワイト マウンテニアリングのコラボブーツ。アッパーにファスナーも付いたコンバットブーツみたいなデザインです。ジャケットの内側に仕込んだショルダーバッグはアエタ。リース中は、荷物で両手が塞がるので斜めがけタイプが便利です。もうひとつのルックでも着けましたが、サスペンダーが好きで、今日は古着のものを身につけています。映画監督の中田秀夫さんがサスペンダーをしていてそれがすごくカッコよくて。オマージュしています。ちなみに、ブラックジーンズは、ブルネロ・クチネリです。若い頃の自分なら今回のような取材には、ガチガチのブランドもので合わせていたのかもしれませんが、今は、スタイリングのハズしやブランドミックスのギャップに面白さを感じているので、時代に合わせた楽しみ方をしています」
STRASBURGOのオリジナルジャケットとは?
軽さと清涼感が持ち味のリネンジャケット。淡いベージュカラーとパッチポケット仕様のサイドポケットなど羽織りやすいカジュアル感が魅力だ。
久保コウヘイ
1977年東京生まれ
2002年に独立し、メンズ誌を始め、俳優やタレント、アスリートなどのスタイリングも担当する。企業向けのスタイリングセミナー等も開催
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