確固たる美意識が生む
"オーラのあるベーシック"
本当に素晴らしいものは、どんなにシンプルな見た目でも
思わず目を奪うような存在感を放ちます。
合理性をつきつめたバウハウスデザインや
虚飾を排した数寄屋作りの家屋などがその好例ですが、
服でいうならばクルチアーニのものづくりがまさにそれ。
ニットだけでなく、夏の定番であるポロシャツにも
静かな、しかし確かなオーラが宿っています。
さて、その理由とは?
最高級ニットにも通じる、至高の色彩美
最高峰のイタリアニットでお馴染みのクルチアーニですが、春夏シーズンには鹿の子のポロシャツも定番展開し、毎年高い人気を博しています。一見、至極ベーシックなたたずまい。しかし実際袖を通すと、その奥底にはクルチアーニならではの"世界観"が息づいていることがわかります。
ではその世界観とは何か? 一言で表すなら、"至高の色彩美"をいうことができるでしょう。クリーンでモダン、しかし決して無機質ではない、ほのかな温度を帯びたトーンは、クルチアーニの原点であるニットにも相通じる魅力。最高級の原料を厳選し、紡績・染色まで自社で手がけてきた同社のノウハウなくして表現できない顔つきといえるでしょう。
今季のコレクションで光るのは、マイルドカラーのバリエーション。ライトピンクやブルーグレーといった春夏らしい色みも、ビビッドさを抑え柔和に表現。華やかでありながら派手に見せないため、普段はネイビーなどベーシックカラーを愛好するかたにもすんなりトライいただけるはずです。一方、ダークブラウンやダークグレーといったベーシックカラーにはまろやかなニュアンスを加味。ありそうでない絶妙なトーンに仕上げられているのがクルチアーニならではです。
ポロシャツの顔・襟周りにもエレガンスの秘訣が
そしてもちろん、仕立てにもこだわりが。襟は鹿の子ポロシャツで一般的なリブ素材ではなく、身頃と共生地のワイドカラー。襟羽根もやや大きめで、ドレッシーな印象を醸し出します。縁に走るステッチも非常に繊細で、本来スポーティな鹿の子素材もエレガントに。加えて"台襟"がついている点にも注目です。これは襟羽根と身頃を繋ぐ帯状のパーツのことで、これがあると襟の立体感が増し、シャキッとした首周りを演出するのが特徴。ポロシャツ一枚でも品格をキープできるので、ビジネスシーンにもぴったりです。
また細かいところでは、ボタンの色を生地と同系色にしているのもポイント。このあたりからも、クルチアーニの色彩表現におけるこだわりぶりが伺えます。
ただのシンプルではない、たたずまいのあるベーシック。そのオーラの源は、徹底した美意識にほかならないのです。